AAAS遺伝子にc.463C>T変異を認めたtriple A(Allgrove)症候群の1例

症例は47歳女性である.幼児期から進行する四肢筋力低下の精査目的に入院した.食道アカラシアに対して手術歴がある.入院時,無涙症に加え,神経学的異常所見として腱反射亢進と四肢の筋萎縮,四肢遠位優位の感覚低下,自律神経障害を認めた.副腎皮質機能不全を認めないが,AAAS遺伝子にc.463C>T変異(p.R155C)を認め,triple A(Allgrove)症候群と診断した.副腎皮質機能不全を認めないtriple A症候群の成人例はまれである.副腎皮質機能不全を欠く症例でもtriple A症候群は否定しきれず,臨床経過次第では遺伝子検査を検討すべきである....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 62; no. 9; pp. 740 - 743
Main Authors 温井, 孝昌, 廣澤, 宏昭, 中辻, 裕司, 林, 智宏, 小西, 宏史, 道具, 伸浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001743

Cover

More Information
Summary:症例は47歳女性である.幼児期から進行する四肢筋力低下の精査目的に入院した.食道アカラシアに対して手術歴がある.入院時,無涙症に加え,神経学的異常所見として腱反射亢進と四肢の筋萎縮,四肢遠位優位の感覚低下,自律神経障害を認めた.副腎皮質機能不全を認めないが,AAAS遺伝子にc.463C>T変異(p.R155C)を認め,triple A(Allgrove)症候群と診断した.副腎皮質機能不全を認めないtriple A症候群の成人例はまれである.副腎皮質機能不全を欠く症例でもtriple A症候群は否定しきれず,臨床経過次第では遺伝子検査を検討すべきである.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001743