腹部巨大腫瘤にて発見された十二指腸原発NK/T細胞リンパ腫の1例
「和文要旨」症例は71歳女性. 主訴は腹痛と浮遊感. 腹部に小児頭大の腫瘤を認め, 内視鏡生検組織検査所見よりNK/T細胞リンパ腫と診断した. 患者の希望により対症療法となり, 最終的に腫瘍の増大に伴う閉塞性黄疸・消化管閉塞が出現し, 診断から約4ヵ月で永眠された. 十二指腸原発NK/T細胞リンパ腫は非常に稀であり, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:71歳, 女性. 現病歴:平成20年1月より慢性心房細動の指摘を受け, 当院循環器内科にて1月12日よりワーファリン内服治療を行っていた. 2月25日に腹痛と浮遊感を認めたため救急外来を受診した. 理学的所見上, 貧血と臍上部に小...
Saved in:
Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 74; no. 2; pp. 74 - 75 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2009
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.74.2_74 |
Cover
Summary: | 「和文要旨」症例は71歳女性. 主訴は腹痛と浮遊感. 腹部に小児頭大の腫瘤を認め, 内視鏡生検組織検査所見よりNK/T細胞リンパ腫と診断した. 患者の希望により対症療法となり, 最終的に腫瘍の増大に伴う閉塞性黄疸・消化管閉塞が出現し, 診断から約4ヵ月で永眠された. 十二指腸原発NK/T細胞リンパ腫は非常に稀であり, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:71歳, 女性. 現病歴:平成20年1月より慢性心房細動の指摘を受け, 当院循環器内科にて1月12日よりワーファリン内服治療を行っていた. 2月25日に腹痛と浮遊感を認めたため救急外来を受診した. 理学的所見上, 貧血と臍上部に小児頭大の腫瘤を触知し, 血液検査にてHb 7.6g/dlと高度の貧血を認めたため精査加療目的で緊急入院となった. 入院時現症:身長158cm, 体重58kg, 体温36.5℃, 血圧125/80mmHg, 脈拍90/分・不整. 眼瞼結膜に貧血あり, 眼球結膜に黄疸なし. 呼吸音清. 心雑音なし. 腹部は平坦で軟, 圧痛なし, 腸蠕動音正常, 肝脾は触知せず, 臍上部に小児頭大の腫瘤を触知. 腹部骨盤部造影CT検査:十二指腸水平脚部に全周性の壁肥厚像を認め, 造影効果に乏しい約10cmの腫瘍性病変を認めた. 腫瘍は膵鉤部, 下大静脈および大動脈に接しており, 膵鉤部では腫瘍との境界が一部不明瞭であり直接浸潤が疑われた(Fig.1). |
---|---|
ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.74.2_74 |