当院における胆膵内視鏡関連手技の専門研修の実際と問題点

胆膵領域におけるERCP関連手技は難易度が高く,他領域の内視鏡治療と比較して偶発症も多い。しかし,胆膵内視鏡手技の教育プログラムには定まったものがなく,各施設の裁量に任されている。教育においては効率面だけではなく,安全性への配慮が不可欠である。当科における胆膵内視鏡専門医の研修状況について報告する。  当科では,一般消化器内科の専門研修を終了した6〜7年目の医師が2〜3名胆膵専門研修を開始する。内視鏡治療を行う前提として,診断,治療方針の決定,患者への説明が行えることが求められる。内視鏡手技に関しては独自のトレーニング指針を作成しており,達成度に応じた段階的研修を行っている。実際の治療中には「...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 86; no. 1; pp. 99 - 103
Main Authors 伊佐山, 浩通, 木暮, 宏史, 中井, 陽介, 白田, 龍之介, 多田, 稔, 山本, 夏代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 13.06.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.86.1_99

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Summary:胆膵領域におけるERCP関連手技は難易度が高く,他領域の内視鏡治療と比較して偶発症も多い。しかし,胆膵内視鏡手技の教育プログラムには定まったものがなく,各施設の裁量に任されている。教育においては効率面だけではなく,安全性への配慮が不可欠である。当科における胆膵内視鏡専門医の研修状況について報告する。  当科では,一般消化器内科の専門研修を終了した6〜7年目の医師が2〜3名胆膵専門研修を開始する。内視鏡治療を行う前提として,診断,治療方針の決定,患者への説明が行えることが求められる。内視鏡手技に関しては独自のトレーニング指針を作成しており,達成度に応じた段階的研修を行っている。実際の治療中には「ちょっとかしてみろ法」と名付けた指導法を行っている。これはトレイニー単独での治療完遂にこだわらず,操作が困難な局面で指導医が術者をこまめに交代・指導する方法で,実地での理解を深め,安全を担保する目的で行われる。また,治療後には治療レポートの添削,治療内視鏡の録画閲覧による復習,他のトレイニーの治療を見ることも有用である。  施設の特性上,複数のトレイニーが研修していること,他院での治療困難例などトレイニーに不適な症例が多く,胆管結石などの典型的な症例が少ないことなどから,経験術者件数は少ないが,胆膵診療に特化して診断から治療までのマネージメントを研修することができる。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.86.1_99