EGDにおけるビスカス法とスプレー法による咽頭麻酔効果の比較

「はじめに」上部内視鏡検査(EGD)は造影検査と異なり, 固体であるスコープを挿入することから, しばしば不安や苦痛の訴えがある. 生理的狭窄部位である下咽頭を通過する際, 物理的刺激や咽頭反射を誘発することが, 被検者の負担となるため, その負担を軽減させる手段として, 咽頭麻酔が一般的に行われている. 当院における咽頭麻酔は2%リドカインビスカスを下咽頭に1分間溜め, うがいを数回繰り返す方法(A群)を採用してきた. 同方法は被検者による協力が不可欠であり, 麻酔効果の個人差や, 嚥下機能の低下した高齢者などでは誤嚥が危惧されてきた. 一方, 8%リドカインスプレーを用いる方法(B群)は被...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 97; no. 1; pp. 57 - 60
Main Authors 安良岡, 高志, 竹内, 努, 大野, 弘貴, 長田, 祐二, 高尾, 嘉宗, 沖野, 哲也, 小泉, こず恵, 滝, 保彦, 吉村, 和康, 住吉, 宏樹, 濱本, 達彦, 三宅, 一昌, 岡田, 憲明, 谷古宇, 康人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 18.12.2020
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.97.1_57

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Summary:「はじめに」上部内視鏡検査(EGD)は造影検査と異なり, 固体であるスコープを挿入することから, しばしば不安や苦痛の訴えがある. 生理的狭窄部位である下咽頭を通過する際, 物理的刺激や咽頭反射を誘発することが, 被検者の負担となるため, その負担を軽減させる手段として, 咽頭麻酔が一般的に行われている. 当院における咽頭麻酔は2%リドカインビスカスを下咽頭に1分間溜め, うがいを数回繰り返す方法(A群)を採用してきた. 同方法は被検者による協力が不可欠であり, 麻酔効果の個人差や, 嚥下機能の低下した高齢者などでは誤嚥が危惧されてきた. 一方, 8%リドカインスプレーを用いる方法(B群)は被検者に求める協力を最小限に出来, 手技も簡便で短時間で済むことから, 安定した効率の良い咽頭麻酔が期待される. しかしながら, A群を長年採用してきた当院では, 簡便なB群による麻酔効果の不確実性が危惧された.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.97.1_57