内視鏡的に摘出した頸部食道穿孔をきたしたスッポン骨誤飲の一例

「序文」 魚骨による食道異物の報告は少なくないが, スッポン骨による食道異物はまれな疾患である. 今回, 食道穿孔を伴うスッポン骨誤飲の症例に対し, 静脈麻酔下にて内視鏡的に摘出し, 保存的加療で軽快した一例を経験したため報告する. 「症例」 70歳代女性 既往歴:多発性骨髄腫, 白内障 現病歴:自宅にてスッポンを摂取後, 咽頭部の違和感を自覚したため翌日に耳鼻科を受診した. 咽頭内視鏡検査を施行し, 明らかな異常所見を認めず経過観察となっていた. その後も咽頭痛が持続したため発症後4日目に近医総合病院を受診し, 頭頚部CTを撮像したところ頸部食道に棒状の石灰化を認め, 食道異物による食道穿孔...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 98; no. 1; pp. 61 - 63
Main Authors 松田, 諭, 眞柳, 修平, 入野, 誠之, 北川, 雄光, 和田, 則仁, 福田, 和正, 中村, 理恵子, 池田, 惇平, 川久保, 博文, 小澤, 広輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 25.06.2021
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.98.1_61

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Summary:「序文」 魚骨による食道異物の報告は少なくないが, スッポン骨による食道異物はまれな疾患である. 今回, 食道穿孔を伴うスッポン骨誤飲の症例に対し, 静脈麻酔下にて内視鏡的に摘出し, 保存的加療で軽快した一例を経験したため報告する. 「症例」 70歳代女性 既往歴:多発性骨髄腫, 白内障 現病歴:自宅にてスッポンを摂取後, 咽頭部の違和感を自覚したため翌日に耳鼻科を受診した. 咽頭内視鏡検査を施行し, 明らかな異常所見を認めず経過観察となっていた. その後も咽頭痛が持続したため発症後4日目に近医総合病院を受診し, 頭頚部CTを撮像したところ頸部食道に棒状の石灰化を認め, 食道異物による食道穿孔が疑われ当院へ転送となった. 入院時現症:脈拍77/min, 血圧103/60mmHg, 体温36.5℃. 身体所見:右前頸部に発赤, 腫脹, 圧痛あり. 血液所見:WBC 7200/μL, CRP 8.34mg/dL, その他明らかな異常を認めなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.98.1_61