ダブルバルーン内視鏡で診断しえた小腸原発GISTの1例
症例は64歳, 女性. 糖尿病にて通院中, 黒色便および貧血にて上下部消化管内視鏡検査行うも出血源なく, 腹部CT上小腸壁外に主座を置く径3cmの境界明瞭な腫瘤を認めた. 小腸造影にてTreitz靭帯から約15cmに径3cmの平滑な腫瘤あり. ダブルバルーン内視鏡施行し同部位に中央が陥凹した隆起性病変を認め, 生検にてGISTの病理診断であった. 出血持続のため手術の方針となった. はじめに 小腸腫瘍は比較的稀な疾患であるが, 上部・下部消化管内視鏡において出血源を診断し得ない消化管出血では原因疾患の一つとして考えられる. 小腸疾患の診断においてダブルバルーン内視鏡は比較的低侵襲で小腸全体の観...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 71; no. 2; pp. 94 - 95 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2007
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.71.2_94 |
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Summary: | 症例は64歳, 女性. 糖尿病にて通院中, 黒色便および貧血にて上下部消化管内視鏡検査行うも出血源なく, 腹部CT上小腸壁外に主座を置く径3cmの境界明瞭な腫瘤を認めた. 小腸造影にてTreitz靭帯から約15cmに径3cmの平滑な腫瘤あり. ダブルバルーン内視鏡施行し同部位に中央が陥凹した隆起性病変を認め, 生検にてGISTの病理診断であった. 出血持続のため手術の方針となった. はじめに 小腸腫瘍は比較的稀な疾患であるが, 上部・下部消化管内視鏡において出血源を診断し得ない消化管出血では原因疾患の一つとして考えられる. 小腸疾患の診断においてダブルバルーン内視鏡は比較的低侵襲で小腸全体の観察が可能であり, 近年その有用性が報告されている. 今回消化管出血で発症しダブルバルーン内視鏡にて診断しえた小腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)の1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.71.2_94 |