原発性胃小細胞癌の1例
「はじめに」胃小細胞癌は全胃癌中0.1%を占めるまれな腫瘍である1). 今回我々は, 胃原発性小細胞癌の1例を経験したので文献的考察をふまえ報告する. 「症例」患者:81歳, 男性. 主訴:腹部膨満感. 既往歴:喫煙10本×65年. 他特記すべきことなし. 現病歴:2002年9月初旬から主訴を自覚し, 近医受診. 上部消化管内視鏡検査で胃癌を疑われ, 精査加療目的で同年10月当院紹介入院となった. 入院時現症:身長155cm, 体重46kg, 血圧138/80mmHg, 脈拍72/分・整, 眼瞼結膜に軽度貧血を認める. 黄疸なし. 心肺異常なし. 腹部軟, 左肋骨弓下に鶏卵大, 弾性硬の腫瘤を...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 63; no. 2; pp. 80 - 81 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.63.2_80 |
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Summary: | 「はじめに」胃小細胞癌は全胃癌中0.1%を占めるまれな腫瘍である1). 今回我々は, 胃原発性小細胞癌の1例を経験したので文献的考察をふまえ報告する. 「症例」患者:81歳, 男性. 主訴:腹部膨満感. 既往歴:喫煙10本×65年. 他特記すべきことなし. 現病歴:2002年9月初旬から主訴を自覚し, 近医受診. 上部消化管内視鏡検査で胃癌を疑われ, 精査加療目的で同年10月当院紹介入院となった. 入院時現症:身長155cm, 体重46kg, 血圧138/80mmHg, 脈拍72/分・整, 眼瞼結膜に軽度貧血を認める. 黄疸なし. 心肺異常なし. 腹部軟, 左肋骨弓下に鶏卵大, 弾性硬の腫瘤を触知する. 表在リンパ節を触知せず. 血液生化学検査:Hb 12.6g/dlと軽度の貧血を認め, NSE 45ng/mlと上昇を認めた. AST, ALT, LDHは正常であった. 上部消化管造影検査(Fig. 1):胃体上部後壁側から噴門部に周堤様の透亮像を伴う円形の陰影欠損が認められた. 上部消化管内視鏡検査(Color 1):胃体上部後壁側から噴門部に周堤を伴う潰瘍性病変を認めた. 病理組織学的所見(Color 2):潰瘍底辺縁からの生検組織では, 類円形ないし短紡錘型のクロマチンに富んだ核を有し, 細胞質の乏しい小型の細胞が増殖していた. 扁平上皮癌, 腺癌の混在は認められなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.63.2_80 |