内視鏡下脳内血腫除去術後の術後出血と抗血栓薬の関連 ─凝固因子製剤の有用性

「はじめに」近年, 高齢化に伴う非弁膜症性心房細動や脳卒中の罹患率の増加に伴い, 抗血栓薬の内服頻度が増加傾向にある. 抗血栓薬の内服が急性期天幕上脳内出血に与える影響を検討したStroke Acute Management with Urgent Risk-factor Assessment and Improvement-Intracerebral Hemorrhage(SAMURAI-ICH)研究のサブ解析では, 抗血栓薬の内服が脳内出血の増大に関連する可能性が指摘された. 近年普及している脳内出血に対する内視鏡下血腫除去術は, 頭蓋内圧亢進状態の改善が速やかに, かつ低侵襲に可能である...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 49; no. 1; pp. 52 - 58
Main Authors 松野, 宏樹, 高須, 俊太郎, 岸田, 悠吾, 渡邉, 督, 永谷, 哲也, 関, 行雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」近年, 高齢化に伴う非弁膜症性心房細動や脳卒中の罹患率の増加に伴い, 抗血栓薬の内服頻度が増加傾向にある. 抗血栓薬の内服が急性期天幕上脳内出血に与える影響を検討したStroke Acute Management with Urgent Risk-factor Assessment and Improvement-Intracerebral Hemorrhage(SAMURAI-ICH)研究のサブ解析では, 抗血栓薬の内服が脳内出血の増大に関連する可能性が指摘された. 近年普及している脳内出血に対する内視鏡下血腫除去術は, 頭蓋内圧亢進状態の改善が速やかに, かつ低侵襲に可能である一方, 止血困難例や術後出血例も散見される. 特に術後出血に関しては, 血小板減少症, 慢性肝不全, 血液透析などの凝固異常症や器質的脳血管病変の存在といった患者側要因と, 術者側要因との要因別に考察した山本らの報告以外に類著が乏しい.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.52