胃病変と大腸病変を同時期に認めた梅毒の1例

「はじめに」梅毒は近年本邦で増加傾向の感染症で, 2期梅毒の胃梅毒や梅毒性直腸炎の症例報告も増加している. 今回当院で加療した胃病変と大腸病変を同時期に認めた梅毒の1例を報告する. 「症例」「患者」: 43歳, 男性. 「主訴」: 下痢, 血便. 「既往歴」: B型肝炎. 「生活歴」: 喫煙歴なし, 飲酒歴日本酒3合/日. 不特定多数の異性と性行歴あり. 「現病歴」: 1カ月前より1日5, 6回の下痢, 少量の血便があり近医を受診した. 血液検査で高度炎症所見, 下部消化管内視鏡検査で直腸に潰瘍性病変を認め精査目的に当科紹介となった. 当院外来の下部消化管内視鏡検査で直腸S状部に縦走傾向のある...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 92; no. 1; pp. 88 - 89
Main Authors 山本, 果奈, 大森, 鉄平, 山本, 智子, 長嶋, 洋治, 山本, 浩隆, 久礼, 里江, 小林, 亜也子, 中村, 真一, 村杉, 瞬, 日向, 有紀子, 新田, 裕樹, 岸野, 真衣子, 徳重, 克年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 15.06.2018
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.92.1_88

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Summary:「はじめに」梅毒は近年本邦で増加傾向の感染症で, 2期梅毒の胃梅毒や梅毒性直腸炎の症例報告も増加している. 今回当院で加療した胃病変と大腸病変を同時期に認めた梅毒の1例を報告する. 「症例」「患者」: 43歳, 男性. 「主訴」: 下痢, 血便. 「既往歴」: B型肝炎. 「生活歴」: 喫煙歴なし, 飲酒歴日本酒3合/日. 不特定多数の異性と性行歴あり. 「現病歴」: 1カ月前より1日5, 6回の下痢, 少量の血便があり近医を受診した. 血液検査で高度炎症所見, 下部消化管内視鏡検査で直腸に潰瘍性病変を認め精査目的に当科紹介となった. 当院外来の下部消化管内視鏡検査で直腸S状部に縦走傾向のあるびらんと粘膜浮腫像, 下部直腸に正常な血管透見を有する介在粘膜と縦走潰瘍を認め炎症性腸疾患を疑った. 小腸造影では小腸に明らかな異常所見は認めなかった. その後, 心窩部痛が出現したため当院を受診し, 血液検査で高度炎症所見を認め精査目的に入院した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.92.1_88