内視鏡検査にて確認された大腸カンジダ症の1例

『和文要旨』 症例は70歳男性, 骨髄異形成症候群, 糖尿病にて免疫能の低下した状態で下血, 下痢を主訴に入院した. 血清カンジダ抗原陽性, 下部消化管内視鏡検査において大腸に多発性潰瘍を認め, 病理組織検査にてカンジダと思われる芽胞を確認し, 大腸カンジダ症と診断した. 抗真菌剤の内服治療を施行したところ下痢は改善し, 多発性潰瘍も縮小し, 内視鏡検査にて治療前後の改善が確認できた. 『はじめに』 カンジダは消化管の常在菌として知られているが, 食道以外の消化管にカンジダが感染症を発症させることは稀で, 大腸では特に稀である. 我々は内視鏡検査にて治療前後を確認できた大腸カンジダ症の1例を経...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 76; no. 2; pp. 120 - 121
Main Authors 田崎, 修平, 福島, 元彦, 星野, 光典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.76.2_120

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Summary:『和文要旨』 症例は70歳男性, 骨髄異形成症候群, 糖尿病にて免疫能の低下した状態で下血, 下痢を主訴に入院した. 血清カンジダ抗原陽性, 下部消化管内視鏡検査において大腸に多発性潰瘍を認め, 病理組織検査にてカンジダと思われる芽胞を確認し, 大腸カンジダ症と診断した. 抗真菌剤の内服治療を施行したところ下痢は改善し, 多発性潰瘍も縮小し, 内視鏡検査にて治療前後の改善が確認できた. 『はじめに』 カンジダは消化管の常在菌として知られているが, 食道以外の消化管にカンジダが感染症を発症させることは稀で, 大腸では特に稀である. 我々は内視鏡検査にて治療前後を確認できた大腸カンジダ症の1例を経験したので報告する. 『症例』 患者:70歳, 男性. 主訴:下血. 既往歴:昭和46年胃潰瘍にて胃亜全摘切除, 平成6年肺癌にて左上葉切除, 平成7年骨髄異形成症候群. 現病歴:骨髄異形成症候群(RAEBinT), 糖尿病, 肺炎にて某医大を入退院後, 平成11年9月14日に下血が出現し, 意識混濁となり, 当院に精査加療目的で入院した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.76.2_120