胃部内視鏡観察37枚法の現状と経年発見SM2以深浸潤癌の特徴

当センターにて行われている胃部内視鏡観察37枚法の有用性と,経年発見SM2以深癌の特徴について検討した.対象は2008年4月から2016年3月に,胃癌と診断された1413病変のうち,前回内視鏡検査を2年6カ月以内に施行していた256病変である.内訳は年齢中央値75歳,男性201,女性55.部位は噴門部19,体上部46,体中部45,体下部31,胃角部41,前庭部74.腫瘍径中央値12mm,深達度はM/SM1/SM2-3/MP/SS:193/27/27/6/3.前回内視鏡検査では全例で病変部位が撮影されており,胃部内視鏡観察37枚法の網羅性が確認できた.SM2以深癌率は噴門部,体上部,体中部で高く...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 93; no. 1; pp. 28 - 34
Main Authors 岸, 大輔, 中河原, 亜希子, 橋本, 真紀子, 入口, 陽介, 小田, 丈二, 冨野, 泰弘, 山村, 彰彦, 園田, 隆賀, 山里, 哲郎, 依光, 展和, 水谷, 勝, 清水, 孝悦, 大島, 菜々
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.12.2018
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.93.1_28

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Summary:当センターにて行われている胃部内視鏡観察37枚法の有用性と,経年発見SM2以深癌の特徴について検討した.対象は2008年4月から2016年3月に,胃癌と診断された1413病変のうち,前回内視鏡検査を2年6カ月以内に施行していた256病変である.内訳は年齢中央値75歳,男性201,女性55.部位は噴門部19,体上部46,体中部45,体下部31,胃角部41,前庭部74.腫瘍径中央値12mm,深達度はM/SM1/SM2-3/MP/SS:193/27/27/6/3.前回内視鏡検査では全例で病変部位が撮影されており,胃部内視鏡観察37枚法の網羅性が確認できた.SM2以深癌率は噴門部,体上部,体中部で高く,特に観察困難部位でもある噴門部小弯,体上・中部後壁に多かった.SM2以深癌36病変の前回内視鏡画像を振り返り,急速進展群,観察不良群,疑い可能群の3群に分類したところ,16病変44%は急速進展群であり,診断困難であった.しかし9病変25%は観察不良群,11病変31%は癌疑い可能群であり,観察・拾い上げの改善にて,前回内視鏡検査時に指摘できた可能性が考えられた.経年発見SM2以深癌の多い噴門部小弯,体上中部後壁に注意した網羅性の高い内視鏡検査と,症例の振り返りによって,内視鏡検診の精度向上が期待できる.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.93.1_28