胃癌による幽門狭窄に対して内視鏡的十二指腸ステント留置術が有効であった1例

「はじめに」外科的に切除困難なGastric outlet obstruction(以下GOO)は癌の進行とともに通過障害による食事摂取困難, 頻回嘔吐などにより全身状態が不良となりQOLが著しく低下することが少なくない. 近年, 外科的胃空腸吻合術(バイパス手術)に変わりself-expandable metallic stent(SEMS)留置術はGOOによる閉塞症状の有効な対症療法とされている1,2)が, 必ずしも全症例で症状の改善を得られるとは限らない. 今回我々は胸部大動脈瘤の合併によりバイパス手術が困難であった胃癌症例に対し, 2010年4月より保険収載されたWallFlexTMを...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 78; no. 2; pp. 92 - 93
Main Authors 新戸, 禎哲, 額賀, 健治, 飯田, 努, 中村, 友里, 西, 正孝, 原田, 容治, 八木, 直子, 春山, 邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2011
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.78.2_92

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Summary:「はじめに」外科的に切除困難なGastric outlet obstruction(以下GOO)は癌の進行とともに通過障害による食事摂取困難, 頻回嘔吐などにより全身状態が不良となりQOLが著しく低下することが少なくない. 近年, 外科的胃空腸吻合術(バイパス手術)に変わりself-expandable metallic stent(SEMS)留置術はGOOによる閉塞症状の有効な対症療法とされている1,2)が, 必ずしも全症例で症状の改善を得られるとは限らない. 今回我々は胸部大動脈瘤の合併によりバイパス手術が困難であった胃癌症例に対し, 2010年4月より保険収載されたWallFlexTMを用いて内視鏡的十二指腸ステント留置術(ステント留置術)を施行し症状の改善がみられた症例を経験したので報告する. 「症例」患者:72歳, 男性. 主訴:食欲低下, 頻回嘔吐. 併存症:胸部大動脈瘤(未治療). 現病歴:2010年5月末より食欲低下, 頻回嘔吐を認め当科初診となった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.78.2_92