経過観察中に出血を来した胃脂肪腫の1例

「はじめに」 胃脂肪腫は良性疾患であり, 狭窄や出血を伴わない限り経過観察されることが多い1~5). 今回経過観察中に突然出血および増大を認め, 内視鏡的止血後に外科的切除を行った1例を経験したので文献的考察を加えて考察する. 「症例」 患者:52歳, 男性. 主訴:黒色便. 既往歴:高血圧症, 糖尿病, 脂質異常症, 緑内障. 現病歴:2004年8月, 上部消化管内視鏡検査で, 胃前庭部小彎に10mm大の胃粘膜下腫瘍を認めた. 2009年の内視鏡検査で20mm大まで増大したためEUSを施行した. 第3層に限局する境界明瞭な高エコー像を認め, 胃脂肪腫と診断した. その後1年ごとに経過観察して...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 81; no. 2; pp. 92 - 93
Main Authors 羽生, 有里, 平野, 直樹, 乾山, 光子, 山本, 慶郎, 藤本, 愛, 大塚, 隆文, 中野, 茂, 竹内, 基, 五十嵐, 良典, 住野, 泰清, 根本, 哲生, 渋谷, 和俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 07.12.2012
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」 胃脂肪腫は良性疾患であり, 狭窄や出血を伴わない限り経過観察されることが多い1~5). 今回経過観察中に突然出血および増大を認め, 内視鏡的止血後に外科的切除を行った1例を経験したので文献的考察を加えて考察する. 「症例」 患者:52歳, 男性. 主訴:黒色便. 既往歴:高血圧症, 糖尿病, 脂質異常症, 緑内障. 現病歴:2004年8月, 上部消化管内視鏡検査で, 胃前庭部小彎に10mm大の胃粘膜下腫瘍を認めた. 2009年の内視鏡検査で20mm大まで増大したためEUSを施行した. 第3層に限局する境界明瞭な高エコー像を認め, 胃脂肪腫と診断した. その後1年ごとに経過観察していたが, 2011年12月に黒色便を主訴に当院受診. Hb5.6g/dlと貧血を認めたため精査加療目的で緊急入院した. 入院時現症:身長171cm, 体重89.8kg, 体温37.2℃, 血圧151/87mmHg, 脈拍91回/分・整, 眼瞼結膜貧血あり, 眼球結膜黄染を認めず, 胸腹部に異常なし.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.81.2_92