診断的治療にて軽快した十二指腸及び回盲部結核の1例
「はじめに」近年, 肺結核の減少に伴って腸結核の頻度も著しく低下し, 十二指腸結核は稀な疾患となった. 今回我々は, 診断的治療にて軽快した十二指腸及び回盲部結核の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:40歳, 男性. 主訴:胃もたれ. 既往歴:特記すべきことなし. 家族歴:兄 膵臓癌で死亡, 叔母 乳癌加療中. 現病歴:2002年6月上旬より胃もたれが出現し持続するため近医を受診した. 腹部超音波検査及び上部内視鏡検査で十二指腸に潰瘍性病変, 膵頭部・肝門部周囲にリンパ節腫大を指摘され, 精査加療目的にて当院紹介受診となった. 初診時現症:とくに異常は認めなかった. 初診時検査成績では...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 80 - 81 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.64.2_80 |
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Summary: | 「はじめに」近年, 肺結核の減少に伴って腸結核の頻度も著しく低下し, 十二指腸結核は稀な疾患となった. 今回我々は, 診断的治療にて軽快した十二指腸及び回盲部結核の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:40歳, 男性. 主訴:胃もたれ. 既往歴:特記すべきことなし. 家族歴:兄 膵臓癌で死亡, 叔母 乳癌加療中. 現病歴:2002年6月上旬より胃もたれが出現し持続するため近医を受診した. 腹部超音波検査及び上部内視鏡検査で十二指腸に潰瘍性病変, 膵頭部・肝門部周囲にリンパ節腫大を指摘され, 精査加療目的にて当院紹介受診となった. 初診時現症:とくに異常は認めなかった. 初診時検査成績では, 血算・生化学に特に異常所見はなく, ツベルクリン反応は陽性であった. 各種腫瘍マーカーも正常範囲内であった. 上部内視鏡検査では, 上十二指腸角対側に白苔を伴う潰瘍性病変を認め, 辺縁は不整で, ところどころ発赤を伴った小隆起を認めた(Color 1). セカンドポーションには病変は見られなかった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.64.2_80 |