摘出に工夫を要した胃内異物の1例

「はじめに」今回我々は爪切りを故意に飲み込み, 摘出に工夫を要した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:20歳, 女性. 現病歴:精神疾患にてカウンセリングを受けていた. 平成15年6月4日に爪切りを故意に飲み込み当院を受診した. 既往歴:小児時ファロー四徴症手術. 身体所見:血圧146/88mmHg. 胸部肺野正常, 心音正常. 腹部圧痛なし. 腫瘤触知せず. 四肢神経学的異常なし. 経過:腹部レントゲンを施行し, 胃内に爪切りを確認した(Fig. 1). オーバーチューブを装着して内視鏡を挿入した. 食後のため, 胃内に食物残渣を認めた. 胃粘膜は爪切りによる擦過のため出血が軽度認め...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 64 - 65
Main Authors 佐藤, 恵子, 宮谷, 博幸, 川本, 智章, 有山, 茂和, 鈴木, 剛, 三浦, 教子, 黄, 麗明, 山内, 篤, 加藤, 章, 山田, 博文, 沖田, 剛之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」今回我々は爪切りを故意に飲み込み, 摘出に工夫を要した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:20歳, 女性. 現病歴:精神疾患にてカウンセリングを受けていた. 平成15年6月4日に爪切りを故意に飲み込み当院を受診した. 既往歴:小児時ファロー四徴症手術. 身体所見:血圧146/88mmHg. 胸部肺野正常, 心音正常. 腹部圧痛なし. 腫瘤触知せず. 四肢神経学的異常なし. 経過:腹部レントゲンを施行し, 胃内に爪切りを確認した(Fig. 1). オーバーチューブを装着して内視鏡を挿入した. 食後のため, 胃内に食物残渣を認めた. 胃粘膜は爪切りによる擦過のため出血が軽度認められた. 胃体部にステンレス製の爪切りを確認した(Color1). 広口鉗子, ワニグチ鉗子, バスケット, スネア等で把持しようとするもすべって把持できなかった. そこで2チャンネルファイバーを再挿入した. ガイドワイヤーを通した造影チューブを鉗子口より挿入し, ガイドワイヤーを爪切りの持ち手の穴に通した(Color2).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.64.2_64