大腸ポリープ摘除後の出血例検討
1998年から2002年までの当施設での大腸内視鏡検査は4,540例であった。ポリープ摘除例数は1,207例，2,294病巣で，ポリープ摘除後出血例の32例，32病巣，非出血例の1,175例，2,262病巣を対象とした。出血例の平均年齢は59.5歳，男女比は1 : 0.14であった。非出血例では，平均年齢は64.2歳，男女比は1 : 0.3であった。部位別の出血率は，盲腸が2.3％で，S状結腸が2.0％で高かった。大きさ別では，11mmから15mmまでが5.9％，16mm以上が5.4％と出血率が高かった。形態別では，Ⅱa様は3.1％，Ip'は2.2％，Isp'は2.0％で出...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 63; no. 2; pp. 46 - 50 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.63.2_46 |
Cover
| Abstract | 1998年から2002年までの当施設での大腸内視鏡検査は4,540例であった。ポリープ摘除例数は1,207例，2,294病巣で，ポリープ摘除後出血例の32例，32病巣，非出血例の1,175例，2,262病巣を対象とした。出血例の平均年齢は59.5歳，男女比は1 : 0.14であった。非出血例では，平均年齢は64.2歳，男女比は1 : 0.3であった。部位別の出血率は，盲腸が2.3％で，S状結腸が2.0％で高かった。大きさ別では，11mmから15mmまでが5.9％，16mm以上が5.4％と出血率が高かった。形態別では，Ⅱa様は3.1％，Ip'は2.2％，Isp'は2.0％で出血率が高かった。出血までの期間は6日以内に集中しており，平均4.2日で，最長は18日であった。ポリープ摘除方法の出血率は，EMR分割切除が8.3％と高かった。摘除直後に処置をした症例の出血率はclip装着が3.3％で，無処置は1.0％であった。留置スネアを使用した病変では出血を認めなかった。術後経過中の出血例に対しての処置は，clip装着が27例，留置スネア使用が1例，無処置例は3例あった。以上の結果から内視鏡的ポリープ摘除に際しては，盲腸，S状結腸，大きさでは11mm以上が多く，形態別ではⅡa様，Ip'，Isp'に注意を要し，特に摘除方法ではEMR分割切除では慎重な対応を要すると考えられた。また，術後経過中の出血は6日以内に集中しており，この間の適切な生活指導，経過観察が必要である。 |
|---|---|
| AbstractList | 「要旨」：1998年から2002年までの当施設での大腸内視鏡検査は4,540例であった. ポリープ摘除例数は1,207例, 2,294病巣で, ポリープ摘除後出血例の32例, 32病巣, 非出血例の1,175例, 2,262病巣を対象とした. 出血例の平均年齢は59.5歳, 男女比は1：0.14であった. 非出血例では, 平均年齢は64.2歳, 男女比は1：0.3であった. 部位別の出血率は, 盲腸が2.3%で, S状結腸が2.0%で高かった. 大きさ別では, 11mmから15mmまでが5.9%, 16mm以上が5.4%と出血率が高かった. 形態別では, IIa様は3.1%, Ip'は2.2%, Isp'は2.0%で出血率が高かった. 出血までの期間は6日以内に集中しており, 平均4.2日で, 最長は18日であった. ポリープ摘除方法の出血率は, EMR分割切除が8.3%と高かった. 摘除直後に処置をした症例の出血率はclip装着が3.3%で, 無処置は1.0%であった. 留置スネアを使用した病変では出血を認めなかった. 術後経過中の出血例に対しての処置は, clip装着が27例, 留置スネア使用が1例, 無処置例は3例あった. 以上の結果から内視鏡的ポリープ摘除に際しては, 盲腸, S状結腸, 大きさでは11mm以上が多く, 形態別ではIIa様, Ip', Isp'に注意を要し, 特に摘除方法ではEMR分割切除では慎重な対応を要すると考えられた. また, 術後経過中の出血は6日以内に集中しており, この間の適切な生活指導, 経過観察が必要である. 1998年から2002年までの当施設での大腸内視鏡検査は4,540例であった。ポリープ摘除例数は1,207例，2,294病巣で，ポリープ摘除後出血例の32例，32病巣，非出血例の1,175例，2,262病巣を対象とした。出血例の平均年齢は59.5歳，男女比は1 : 0.14であった。非出血例では，平均年齢は64.2歳，男女比は1 : 0.3であった。部位別の出血率は，盲腸が2.3％で，S状結腸が2.0％で高かった。大きさ別では，11mmから15mmまでが5.9％，16mm以上が5.4％と出血率が高かった。形態別では，Ⅱa様は3.1％，Ip'は2.2％，Isp'は2.0％で出血率が高かった。出血までの期間は6日以内に集中しており，平均4.2日で，最長は18日であった。ポリープ摘除方法の出血率は，EMR分割切除が8.3％と高かった。摘除直後に処置をした症例の出血率はclip装着が3.3％で，無処置は1.0％であった。留置スネアを使用した病変では出血を認めなかった。術後経過中の出血例に対しての処置は，clip装着が27例，留置スネア使用が1例，無処置例は3例あった。以上の結果から内視鏡的ポリープ摘除に際しては，盲腸，S状結腸，大きさでは11mm以上が多く，形態別ではⅡa様，Ip'，Isp'に注意を要し，特に摘除方法ではEMR分割切除では慎重な対応を要すると考えられた。また，術後経過中の出血は6日以内に集中しており，この間の適切な生活指導，経過観察が必要である。 |
| Author | 石川, 尚之 竹内, 英津子 三坂, 亮一 大石, 英人 秋本, 真寿美 柳沢, 明子 新見, 晶子 志村, 和政 荻原, 正示 土谷, まり子 前田, 淳 古川, みどり 山下, 克子 進藤, 廣成 栗原, 毅 重本, 六男 |
| Author_xml | – sequence: 1 fullname: 石川, 尚之 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 大石, 英人 organization: 東京女子医科大学／外科 – sequence: 1 fullname: 進藤, 廣成 organization: 東京女子医科大学／外科 – sequence: 1 fullname: 重本, 六男 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 古川, みどり organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 前田, 淳 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 竹内, 英津子 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 土谷, まり子 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 秋本, 真寿美 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 荻原, 正示 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 山下, 克子 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 志村, 和政 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 柳沢, 明子 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 新見, 晶子 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 三坂, 亮一 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター – sequence: 1 fullname: 栗原, 毅 organization: 東京女子医科大学附属／成人医学センター |
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| Copyright | 2003 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 |
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| CorporateAuthor | 東京女子医科大学附属青山病院/外科 東京女子医科大学附属青山病院/成人医学センター 東京女子医科大学附属青山病院/消化器内科 |
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| EISSN | 2187-4999 |
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| PublicationDecade | 2000 |
| PublicationTitle | Progress of Digestive Endoscopy |
| PublicationTitleAlternate | Prog. dig. Endosc |
| PublicationYear | 2003 |
| Publisher | 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
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| References | 1) 竹本忠良 : 消化器疾患の診断手技に伴う偶発症とその対策．Gastroenterol Endosc，18 : 183―187，1976 4) 金子榮蔵，望月福治，松永厚生，他 : 消化器内視鏡の偶発症に関する第2回全国調査報告―1988年より1992年までの5年間．Gastroenterol Endosc，37 : 642―652，1995 2) 並木正義 : 消化器内視鏡検査（治療含む）の偶発症―その現況と予防対策．Gastroenterol Endosc，26 : 2439―2455，1984 7) 日下利広，三宅直人，安藤正夫，他 : 大腸内視鏡での偶発症をなくす・治療手技の偶発症とその対策―内視鏡切除の偶発症・出血とその対策．早期大腸癌，6 : 123―128，2002 5) 神長憲宏，佐竹儀治，松永厚生，他 : 大腸早期癌の内視鏡切除術の偶発症における問題点と対策．消化器内視鏡，6 : 511―520，1994 6) 上堂文也，飯石浩康，竜田正晴 : 基本治療手技．大腸内視鏡検査ハンドブック，丹羽寛文編，日本メディカルセンター，p146―152，1999 3) 春日井達造，並木正義，本田利男，他 : 消化器内視鏡の偶発症に関する全国アンケート調査報告―1983年より1987年までの5年間 Gastroenterol Endosc，31 : 2214―2229，1989 |
| References_xml | – reference: 2) 並木正義 : 消化器内視鏡検査（治療含む）の偶発症―その現況と予防対策．Gastroenterol Endosc，26 : 2439―2455，1984． – reference: 6) 上堂文也，飯石浩康，竜田正晴 : 基本治療手技．大腸内視鏡検査ハンドブック，丹羽寛文編，日本メディカルセンター，p146―152，1999． – reference: 4) 金子榮蔵，望月福治，松永厚生，他 : 消化器内視鏡の偶発症に関する第2回全国調査報告―1988年より1992年までの5年間．Gastroenterol Endosc，37 : 642―652，1995． – reference: 3) 春日井達造，並木正義，本田利男，他 : 消化器内視鏡の偶発症に関する全国アンケート調査報告―1983年より1987年までの5年間 Gastroenterol Endosc，31 : 2214―2229，1989． – reference: 5) 神長憲宏，佐竹儀治，松永厚生，他 : 大腸早期癌の内視鏡切除術の偶発症における問題点と対策．消化器内視鏡，6 : 511―520，1994． – reference: 1) 竹本忠良 : 消化器疾患の診断手技に伴う偶発症とその対策．Gastroenterol Endosc，18 : 183―187，1976． – reference: 7) 日下利広，三宅直人，安藤正夫，他 : 大腸内視鏡での偶発症をなくす・治療手技の偶発症とその対策―内視鏡切除の偶発症・出血とその対策．早期大腸癌，6 : 123―128，2002． |
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| SourceID | medicalonline jstage |
| SourceType | Publisher |
| StartPage | 46 |
| SubjectTerms | 偶発症 内視鏡的摘除 大腸内視鏡 |
| Title | 大腸ポリープ摘除後の出血例検討 |
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| ispartofPNX | Progress of Digestive Endoscopy, 2003/11/25, Vol.63(2), pp.46-50 |
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