化膿性椎間関節炎のCT・MRI 所見:他疾患との比較検討

化膿性脊椎炎の一部の症例では,椎間関節に初発感染を生じる.自経例5 名の化膿性椎間関節炎と同時期に経験した腰椎の偽痛風症例(以下,非感染例),結核症例(以下,結核)の画像所見を比較検討した.対象と方法:対象は,2005 年8 月から2013 年6 月に経験した化膿性椎間関節炎5例と結核1 例,非感染例6 例である.化膿性椎間関節炎,結核,非感染例の平均年齢は,74.0,83.0,60.2 歳で,男女比は4:1,1:0,1:5 であった.放射線科医1 名がCT とMRI 画像を比較検討した.検討項目:CT では,骨破壊の有無,軟部組織の石灰化の有無,椎間関節面の所見について検討した.MRI では...

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Published in松江市立病院医学雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 11 - 18
Main Authors 金﨑, 佳子, 森山, 正浩, 飴谷, 資樹, 小川, 敏英, 堀, 郁子, 謝花, 正信, 太田, 靖利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 松江市立病院 2014
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ISSN1343-0866
2434-8368
DOI10.32294/mch.18.1_11

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Summary:化膿性脊椎炎の一部の症例では,椎間関節に初発感染を生じる.自経例5 名の化膿性椎間関節炎と同時期に経験した腰椎の偽痛風症例(以下,非感染例),結核症例(以下,結核)の画像所見を比較検討した.対象と方法:対象は,2005 年8 月から2013 年6 月に経験した化膿性椎間関節炎5例と結核1 例,非感染例6 例である.化膿性椎間関節炎,結核,非感染例の平均年齢は,74.0,83.0,60.2 歳で,男女比は4:1,1:0,1:5 であった.放射線科医1 名がCT とMRI 画像を比較検討した.検討項目:CT では,骨破壊の有無,軟部組織の石灰化の有無,椎間関節面の所見について検討した.MRI では,近隣の椎間板の信号強度,椎間関節の信号変化,骨外の膿瘍の有無,造影後の濃染範囲について検討した.結果:全例で,椎間関節の水腫と関節突起のT1 強調画像低信号を認めたが,近傍の椎間板にはT2 強調画像で高信号域は認めなかった.化膿性脊椎炎では,椎間関節炎は片側であり,全例で骨外の膿瘍を認めた.粗大な骨破壊はなく,淡い石灰化も認めなかった.椎間関節面も平滑であった.結核では骨破壊が明瞭であった.非感染例では,全例で両側の椎間関節周囲に境界不明瞭な濃染を認めた.5 例の椎間関節面に不整または骨皮質下嚢胞を認め,6 例に靭帯や関節包に淡い石灰化を認めた.まとめ:化膿性椎間関節炎では,骨破壊や石灰化は認められず,椎間関節面の不整はなく,片側性病巣で骨外膿瘍の随伴が特徴的所見であった.
ISSN:1343-0866
2434-8368
DOI:10.32294/mch.18.1_11