抗血栓薬使用下におけるコールドポリペクトミーは安全か
近年抗血栓薬内服患者は増加傾向で,後出血は内視鏡治療の重大課題であるため,今回抗血栓使用下でのCold Snare Polypectomy(CSP)の安全性を検討した.2016年3月から2018年6月に当院でCSPを施行した1404例2653病変を対象とし,抗血栓薬使用群/非使用群について後ろ向きに解析した.使用群は273例(19.4%)で,157例(11.2%)が内服継続(抗血小板薬70例,抗凝固薬50例,多剤併用15例)で,116例(8.3%)が休薬し,使用群と非使用群の背景は年齢が使用群で有意に高かったものの,男女比,病変平均径,肉眼型(隆起型/平坦型),部位(近位/遠位),切除個数平均...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 94; no. 1; pp. 36 - 40 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
07.06.2019
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.94.1_36 |
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Summary: | 近年抗血栓薬内服患者は増加傾向で,後出血は内視鏡治療の重大課題であるため,今回抗血栓使用下でのCold Snare Polypectomy(CSP)の安全性を検討した.2016年3月から2018年6月に当院でCSPを施行した1404例2653病変を対象とし,抗血栓薬使用群/非使用群について後ろ向きに解析した.使用群は273例(19.4%)で,157例(11.2%)が内服継続(抗血小板薬70例,抗凝固薬50例,多剤併用15例)で,116例(8.3%)が休薬し,使用群と非使用群の背景は年齢が使用群で有意に高かったものの,男女比,病変平均径,肉眼型(隆起型/平坦型),部位(近位/遠位),切除個数平均個数ではいずれも有意差を認めなかった.後出血に関しても,使用群0.4%(1/235),非使用群0.2%(2/1169)で有意差を認めず(p=0.42),出血例は使用群ではアスピリンとチロピジン併用での継続の1例のみであった.後出血例全てが複数病変切除例で,いずれも輸血は要さず内視鏡的止血を得た.よって抗血栓薬内服下でもCSPの後出血リスクは極めて低く,抗血栓薬中断に伴うリスクをも回避できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.94.1_36 |