移植腎長期生着症例における補体非結合性DSAについて

「I. はじめに」われわれは以前より, ドナー特異的抗HLA抗体(DSA:donor specific HLA-antibodies)を検出するフローサイトクロスマッチ(FCXM:flow cytometric crossmatch test)および抗HLA抗体特異性検査において, これらの蛍光強度が強い抗体であってもCDC(complement-dependent cytotoxic crossmatch)が陰性を示すような補体非結合性抗HLA抗体について報告してきた. このような補体結合性の無いDSAは, 腎移植前に抗HLA-クラス1抗体が陽性であっても移植後数年の間に消失する場合が多く,...

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Published in移植 Vol. 56; no. 1; pp. 25 - 33
Main Authors 北島, 久視子, 安尾, 美年子, 笹野, まゆ, 江川, 裕人, 小林, 悠梨, 石田, 英樹, 古屋, 海, 藤田, 龍司, 岩藤, 和広, 石塚, 敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
日本移植学会
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.1_25

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Summary:「I. はじめに」われわれは以前より, ドナー特異的抗HLA抗体(DSA:donor specific HLA-antibodies)を検出するフローサイトクロスマッチ(FCXM:flow cytometric crossmatch test)および抗HLA抗体特異性検査において, これらの蛍光強度が強い抗体であってもCDC(complement-dependent cytotoxic crossmatch)が陰性を示すような補体非結合性抗HLA抗体について報告してきた. このような補体結合性の無いDSAは, 腎移植前に抗HLA-クラス1抗体が陽性であっても移植後数年の間に消失する場合が多く, 早~中期の抗体関連拒絶には繋がらない結果であった. しかし, 近年の症例では脱感作療法や抗体除去療法などの効果もあり, 補体非結合性DSAが抗体関連拒絶に関わらない可能性については明らかにできなかった.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.1_25