APC施行後再発を認めた食道表在癌の2例

内視鏡的粘膜切除(EMR)が適応外の診断でArgon Plasma Coagulation(APC)を行った食道表在癌患者10例のうち,再発を認めた2例を報告する。症例1は65歳,男性。既往歴は胃癌,肝硬変,食堂静脈瘤。平成11年,胸部中部食道(Mt)の0-Ⅱc病変に放射線治療(60Gy)後再発,平成13年8月,初回APCを施行。さらに再発,平成14年1月に2度目のAPCを施行。症例2は69歳,男性。既往歴は胃癌,糖尿病,狭心症,脳梗塞。Mtの0-Ⅱb病変に対し,平成14年1月初回のAPC施行。6カ月後に再発したため2度目のAPCを行った。2例とも初回と同じ部位の再発であり,癌の遺残である可能...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 62; no. 2; pp. 60 - 62
Main Authors 野村, 務, 田尻, 孝, 宮下, 正夫, 牧野, 浩司, 丸山, 弘, 松谷, 毅, 二見, 良平, 勝田, 美和子, 柏原, 元, 笹島, 耕二, 山下, 精彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:内視鏡的粘膜切除(EMR)が適応外の診断でArgon Plasma Coagulation(APC)を行った食道表在癌患者10例のうち,再発を認めた2例を報告する。症例1は65歳,男性。既往歴は胃癌,肝硬変,食堂静脈瘤。平成11年,胸部中部食道(Mt)の0-Ⅱc病変に放射線治療(60Gy)後再発,平成13年8月,初回APCを施行。さらに再発,平成14年1月に2度目のAPCを施行。症例2は69歳,男性。既往歴は胃癌,糖尿病,狭心症,脳梗塞。Mtの0-Ⅱb病変に対し,平成14年1月初回のAPC施行。6カ月後に再発したため2度目のAPCを行った。2例とも初回と同じ部位の再発であり,癌の遺残である可能性が高く,焼灼の間隔が広かったことがこれらの原因であると推測された。現時点では,特に広範囲の病変ほどEMRによる確実な切除を選択すべきであり,APCはEMRが不可能な症例に限るべきであることが再認識された。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.62.2_60