小児腎移植患者に発症した抗体関連型拒絶反応治療におけるIVIgを投与した症例の全国調査
「I. はじめに」近年の免疫抑制療法の進歩により, 腎移植後の拒絶反応発生率は以前に比べて確実に減少はしてきているが, 拒絶反応が発症した際, その病態によっては治療に難渋する場合がある. 特に, 抗体関連型拒絶反応(antibody mediated rejection; AMR)は, 移植腎機能喪失につながる可能性のある難治性の拒絶反応に位置付けられる. 2013年のBanff分類改訂により, AMRの病理学的診断が確立され, 細胞性拒絶反応との鑑別診断が正しく行えるようになってきた. その一方で, AMRに有効な治療法の標準化は未だ道半ばであり, その確立が, 我々に課せられた急務の課題...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. 1; pp. 27 - 35 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
日本移植学会 |
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Summary: | 「I. はじめに」近年の免疫抑制療法の進歩により, 腎移植後の拒絶反応発生率は以前に比べて確実に減少はしてきているが, 拒絶反応が発症した際, その病態によっては治療に難渋する場合がある. 特に, 抗体関連型拒絶反応(antibody mediated rejection; AMR)は, 移植腎機能喪失につながる可能性のある難治性の拒絶反応に位置付けられる. 2013年のBanff分類改訂により, AMRの病理学的診断が確立され, 細胞性拒絶反応との鑑別診断が正しく行えるようになってきた. その一方で, AMRに有効な治療法の標準化は未だ道半ばであり, その確立が, 我々に課せられた急務の課題である. AMRに対する治療の選択肢として, ステロイドパルス療法, Anti-human Thymocyte Immunoglobulin, Rabbit, 血漿交換療法, Rituximab, 静注免疫グロブリン(intravenous immunoglobulin; IVIg), Bortezomibなどがあげられる. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.1_27 |