誤嚥した爪楊枝の胃壁刺入により発見された進行胃癌の1例
「和文要旨」症例は54歳男性, 医師. 腹痛を契機に上部消化管内視鏡検査を施行したところ, 爪楊枝の胃壁内刺入と近傍の3型進行胃癌を認めた. 爪楊枝は水洗にて胃内腔へ脱落し, 透明フードと把持鉗子を用いて内視鏡的に除去した. 後日, 胃癌に対し幽門側胃切除術を施行した. 誤嚥した爪楊枝の胃壁刺入の脱落を内視鏡にて観察でき, また偶然胃癌の発見契機となった稀な症例を経験した. 「症例」患者:54歳, 男性, 医師. 主訴:上腹部痛. 既往歴:糖尿病, 高血圧, 逆流性食道炎, 狭心症, 脂肪肝. 現病歴:平成17年6月29日より上腹部痛が出現. 7月1日に発熱, 腹膜炎症状が出現し, 白血球12...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 69; no. 2; pp. 60 - 61 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2006
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.69.2_60 |
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Summary: | 「和文要旨」症例は54歳男性, 医師. 腹痛を契機に上部消化管内視鏡検査を施行したところ, 爪楊枝の胃壁内刺入と近傍の3型進行胃癌を認めた. 爪楊枝は水洗にて胃内腔へ脱落し, 透明フードと把持鉗子を用いて内視鏡的に除去した. 後日, 胃癌に対し幽門側胃切除術を施行した. 誤嚥した爪楊枝の胃壁刺入の脱落を内視鏡にて観察でき, また偶然胃癌の発見契機となった稀な症例を経験した. 「症例」患者:54歳, 男性, 医師. 主訴:上腹部痛. 既往歴:糖尿病, 高血圧, 逆流性食道炎, 狭心症, 脂肪肝. 現病歴:平成17年6月29日より上腹部痛が出現. 7月1日に発熱, 腹膜炎症状が出現し, 白血球12,910/μl(好中球80%), CRP15.2mg/dlと炎症反応を認め近医へ入院した. CTにて胃角小彎の壁肥厚を認め, 7月5日内視鏡検査にて胃角部中心に3型進行胃癌とその近傍に深く刺入した爪楊枝を認めた(Color1). インジゴカルミン散布と腫瘍部の生検(GroupV:低分化型腺癌)を施行し, 爪楊枝は抜去せずに終了となった. 抗生剤投与による限局性腹膜炎症状軽快後, 手術を目的に7月13日当院紹介入院となった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.69.2_60 |