分枝型IPMN疑い病変の治療方針決定におけるEUSの有用性について

【目的】分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)疑い病変の治療方針決定における超音波内視鏡検査(EUS)の有用性を明らかにする.【方法】2012年1月から2017年3月までの期間に,当科でEUSを施行した分枝型IPMN疑い186例のうち,囊胞内に所見を認めた44例を対象とし,そのEUS所見,臨床経過,手術例においては病理所見を後方視的に調査した.【結果】囊胞内有所見の内訳は,粘液塊疑い9例,囊胞壁の顆粒状変化11例,壁在結節24例.平均観察期間は26.2カ月,観察期間中に囊胞・主膵管径・結節の増大を認めたのは5例(壁顆粒状群2例,壁在結節群3例).手術例20例のうち当院で行った18例は良性12例...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 91; no. 1; pp. 85 - 89
Main Authors 小林, 照宗, 夏目, 俊之, 清水, 辰一郎, 丸山, 尚嗣, 水本, 英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 08.12.2017
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:【目的】分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)疑い病変の治療方針決定における超音波内視鏡検査(EUS)の有用性を明らかにする.【方法】2012年1月から2017年3月までの期間に,当科でEUSを施行した分枝型IPMN疑い186例のうち,囊胞内に所見を認めた44例を対象とし,そのEUS所見,臨床経過,手術例においては病理所見を後方視的に調査した.【結果】囊胞内有所見の内訳は,粘液塊疑い9例,囊胞壁の顆粒状変化11例,壁在結節24例.平均観察期間は26.2カ月,観察期間中に囊胞・主膵管径・結節の増大を認めたのは5例(壁顆粒状群2例,壁在結節群3例).手術例20例のうち当院で行った18例は良性12例(粘液塊群1例,壁顆粒状群4例,壁在結節群7例),悪性6例(壁在結節群6例)であった.良・悪性群の比較で囊胞径・主膵管径に差はみられなかったが,結節高は悪性群で有意に高く,7mmをcut-offとすると,正診率96.9%であった.【結論】粘液塊群と壁顆粒状群は経過観察が妥当であった.小さい壁在結節も経過観察可能であるが,結節高7mm以上は手術が勧められる.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.91.1_85