15年の経過後，超音波内視鏡下吸引生検・腹腔鏡下切除を施行しえた胃平滑筋肉腫の1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 59; no. 2; pp. 76 - 77
• Main Authors: 吉田, 美奈子, 小澁, 敬治, 床井, 伸介, 藤本, 秀明, 小野沢, 祐輔, 天川, 孝則, 山田, 哲夫, 河内, 洋, 中村, 恭一, 伊藤, 邦泰, 川口, 英雄, 阿部, 哲夫, 石川, 廣記, 是木, 茂幸, 神谷, 知至, 及能, 茂道
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2001; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 胃平滑筋肉腫; 超音波内視鏡下吸引生検
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.59.2_76

「はじめに」今回我々は15年の長きにわたって経過を追い, 超音波内視鏡下吸引生検にて術前診断し腹腔鏡下切除することができた胃平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する. 「症例」患者：75歳, 女性. 主訴：胃粘膜下腫瘍(submucosal tumor：以下SMT)精査. 既往歴：13歳に虫垂切除, 45歳から高血圧, 51歳に子宮筋腫で子宮摘出術. 家族歴：特記すべきことなし. 現病歴：1985年の上部消化管内視鏡で胃前庭部前壁大彎側に1cm弱のSMTが認められた. その後の定期的な観察にて緩徐な増大傾向はあったが, 自覚症状なく経過観察とされていた. 2000年6月の上部消化管造影では腫瘍径2cm(Fig.1)と増大傾向が強まったため精査目的にて入院となる. 入院時現症及び一般検査所見：異常なし. 上部消化管内視鏡所見(Fig.2)：前庭部大彎側に2cm大のSMTを認め, 通常の粘膜生検ではSMT成分は採取されず. 腹部超音波所見：SMTは3cm大の低エコー域として認められ, レボピストによる造影で軽度増強された. 腹部CT所見(Fig.3)：ダイナミックCTでは動脈相で軽度増強され, 大きさは3cm大. 壁外性発育が認められた. 腹部MR所見：T1強調画像にて胃壁と比し信号強度同等で, ガドリニウムによる造影では良好に増強された.