骨格性下顎前突症例における下顎単独後退術の下顎後退量の左右差と正中部移動量との関係

「緒言」外科的矯正治療が適用となる顎変形症では, 治療動機の一つとして顔貌の改善を希望する患者が8割近いとの報告がある. 顔面非対称を伴う場合には, 側貌の前後的不調和の改善に加え, オトガイ部の偏位や顎角部形態の左右差を改善し正貌の対称性を図ることが必要となり, 治療計画立案の段階で顎矯正手術施行後における側貌の形態変化とともに正貌での変化を予測することが重要である. 近年, CTデータあるいは非接触型三次元形状計測装置などを応用して三次元的な術後予測の試みがなされているが未だ実用段階には至っておらず, 依然として側面頭部X線規格写真のトレースを用いたセファロメトリックプレディクションが頻用...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 池田, 順行, 齋藤, 功, 小林, 正治, 丹原, 惇, 森田, 修一, 林, 孝文, 高橋, 功次朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.2017
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.27.1

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Summary:「緒言」外科的矯正治療が適用となる顎変形症では, 治療動機の一つとして顔貌の改善を希望する患者が8割近いとの報告がある. 顔面非対称を伴う場合には, 側貌の前後的不調和の改善に加え, オトガイ部の偏位や顎角部形態の左右差を改善し正貌の対称性を図ることが必要となり, 治療計画立案の段階で顎矯正手術施行後における側貌の形態変化とともに正貌での変化を予測することが重要である. 近年, CTデータあるいは非接触型三次元形状計測装置などを応用して三次元的な術後予測の試みがなされているが未だ実用段階には至っておらず, 依然として側面頭部X線規格写真のトレースを用いたセファロメトリックプレディクションが頻用されている. しかし, 下顎の偏位あるいは顔面非対称を伴う症例について側面頭部X線規格写真を用いたセファロメトリックプレディクション行う場合, 下顎後退量の左右差と下顎結合部での後退量あるいは正貌での側方移動量の予測が困難で, 治療方針立案時に苦慮することも多い.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.27.1