外科的整復を必要とした多発胃潰瘍合併食道裂孔ヘルニア嵌頓の1例

「症例」患者:88歳, 女性. 主訴:食欲不振, 嘔吐. 現病歴:平成21年6月17日に嘔吐があり, その後より食事摂取不良となり体動も困難となった. 18日に当科外来を受診し血液検査にてWBC12900/μl, CRP17.5mg/dlと高値を示し, 胸部X線検査にて右下肺野に肺炎像をみとめたため精査加療目的にて同日入院となった. 既往歴:80歳時に脳梗塞, 86歳時に右白内障. 入院時の身体所見:右下肺野において湿性ラ音を聴取. その他特記すべきことなし. 入院時の血液検査所見:腎機能の増悪とともに, 白血球数の高値およびCRPは17.5mg/dlと上昇していた. 入院後経過:絶食およびト...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 78; no. 2; pp. 80 - 81
Main Authors 金, 民日, 黒田, 高明, 吉汲, 宏毅, 宮坂, 信雄, 仲又, 進, 前川, 久登, 坂田, 宏樹, 豊田, 宏之, 小山, 広人, 野村, 亮介, 東條, 正幸, 金子, 麗奈, 草柳, 聡, 梅田, 知幸, 小川, 正純, 佐藤, 譲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2011
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「症例」患者:88歳, 女性. 主訴:食欲不振, 嘔吐. 現病歴:平成21年6月17日に嘔吐があり, その後より食事摂取不良となり体動も困難となった. 18日に当科外来を受診し血液検査にてWBC12900/μl, CRP17.5mg/dlと高値を示し, 胸部X線検査にて右下肺野に肺炎像をみとめたため精査加療目的にて同日入院となった. 既往歴:80歳時に脳梗塞, 86歳時に右白内障. 入院時の身体所見:右下肺野において湿性ラ音を聴取. その他特記すべきことなし. 入院時の血液検査所見:腎機能の増悪とともに, 白血球数の高値およびCRPは17.5mg/dlと上昇していた. 入院後経過:絶食およびトシル酸スルタミシリン6gの投与により治療を開始した. 入院後も嘔吐を繰り返すため留置した胃管からの排液が黒褐色であったため, 19日に上部消化管内視鏡を施行した. 胃内には不整形の比較的浅い潰瘍及びビランが多発し前庭部より先への挿入は困難であった(Color 1).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.78.2_80