膵臓,腎臓採取

「はじめに」膵臓移植は1型糖尿病に対する根治療法として臨床応用され, 海外では2020年末までに63,538例が実施されている. 本邦でも2000年4月~2022年末までに, 491例の脳死・心停止膵移植が実施されているが, 418例(85%)は膵腎同時移植(SPK)である. また腎移植後膵移植(PAK)が57例(12%)で, 膵臓単独移植(PTA)は16例(3%)のみである. 本邦では, 高齢, 脳血管障害が死因, 心肺蘇生を有する, 循環動態が不安定など, いわゆるマージナルドナーが70%を占めているにもかかわらず, 5年患者生存率92.2%, 移植膵5年生着率77.7%と海外に遜色ない良...

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Published in移植 Vol. 58; no. 2; pp. 83 - 91
Main Authors 剣持, 敬, 伊藤, 泰平, 栗原, 啓, 會田, 直弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
日本移植学会
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Summary:「はじめに」膵臓移植は1型糖尿病に対する根治療法として臨床応用され, 海外では2020年末までに63,538例が実施されている. 本邦でも2000年4月~2022年末までに, 491例の脳死・心停止膵移植が実施されているが, 418例(85%)は膵腎同時移植(SPK)である. また腎移植後膵移植(PAK)が57例(12%)で, 膵臓単独移植(PTA)は16例(3%)のみである. 本邦では, 高齢, 脳血管障害が死因, 心肺蘇生を有する, 循環動態が不安定など, いわゆるマージナルドナーが70%を占めているにもかかわらず, 5年患者生存率92.2%, 移植膵5年生着率77.7%と海外に遜色ない良好な成績を示している. 本邦の腎移植数は, 1965年~2021年に, 生体腎36,432件, 献腎(心停止)6,151件, 献腎(脳死)1,432件, 計44,015件とすでに44,000例を超えている. 2010~2020年に実施された本邦の腎移植の5年生存率は96.7%, 5年生着率は93.1%と良好であった. 2021年に実施された125例の献腎移植のうち23例(18.4%)がSPKであった.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.2_83