10W半導体レーザーのパルス照射が圧痛閾値と時間的加重に与える影響

「はじめに」 疼痛緩和に使用されるレーザー治療器の出力は幅広い. 出力数100mW程度のレーザーを用いた疼痛緩和に関する報告は多いが, その機序として神経伝導抑制, 血流改善, 抗炎症等が提唱されている. Wuらは, 400mWのレーザー照射で歯科患者の疼痛が減少したと述べている. Chowは, 急性痛では治療直後から, 慢性痛でも治療開始後22週までに疼痛緩和を認めたと述べている. 一方, 10Wを超えるレーザーに関する報告もある. 大国らは10Wのレーザーで慢性痛患者を治療した結果, 89%で有効であったと述べ, 山田は10Wレーザーのパルス照射と1Wレーザーの連続照射で治療を行った結果,...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 37; no. 1; pp. 26 - 34
Main Authors 竹内伸行, 松本昌尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 30.03.2022
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Summary:「はじめに」 疼痛緩和に使用されるレーザー治療器の出力は幅広い. 出力数100mW程度のレーザーを用いた疼痛緩和に関する報告は多いが, その機序として神経伝導抑制, 血流改善, 抗炎症等が提唱されている. Wuらは, 400mWのレーザー照射で歯科患者の疼痛が減少したと述べている. Chowは, 急性痛では治療直後から, 慢性痛でも治療開始後22週までに疼痛緩和を認めたと述べている. 一方, 10Wを超えるレーザーに関する報告もある. 大国らは10Wのレーザーで慢性痛患者を治療した結果, 89%で有効であったと述べ, 山田は10Wレーザーのパルス照射と1Wレーザーの連続照射で治療を行った結果, 共に治療成績は優れていたと報告している. 両者は臨床効果に関する報告であるが, 作用機序に関する報告は少ない. 筆者らは, これまでに10Wレーザー照射により電流痛覚閾値が有意に上昇することを報告した.
ISSN:0915-8588
DOI:10.11154/pain.37.26