Non erosive reflux diseaseにおけるweakly acid refluxの検討 : 無線式pH monitoring systemでの食道・胃pH同時測定の有用性について

背景・目的 : 近年Impedance法を中心に,食道pHが4以下にならない逆流が指摘されている。食道・胃pH同時測定により,NERD症例におけるpH4以上の逆流も含めた胃酸逆流の検討を行ったので報告する。  方法 : 対象は健常人15人とNERD症例15人。NERD症例は定型症状群7人と非定型症状群8人に分けた。全ての症例に無線式pH monitoring systemを用い,48時間食道・胃pHを同時測定した。測定結果より,acid reflux(食道pH<4の低下),weakly acid reflux by dual pH(食道pHの低下が4以上7以下 であり,同時にその低下した食道p...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 70; no. 2; pp. 38 - 42
Main Authors 山口, 武人, 瀬座, 文香, 鈴木, 拓人, 小林, 倫子, 神津, 照雄, 尾高, 健夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2007
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.70.2_38

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Summary:背景・目的 : 近年Impedance法を中心に,食道pHが4以下にならない逆流が指摘されている。食道・胃pH同時測定により,NERD症例におけるpH4以上の逆流も含めた胃酸逆流の検討を行ったので報告する。  方法 : 対象は健常人15人とNERD症例15人。NERD症例は定型症状群7人と非定型症状群8人に分けた。全ての症例に無線式pH monitoring systemを用い,48時間食道・胃pHを同時測定した。測定結果より,acid reflux(食道pH<4の低下),weakly acid reflux by dual pH(食道pHの低下が4以上7以下 であり,同時にその低下した食道pHが胃pH値の±0.5),従来のweakly acid reflux(4<pH<7の食道pHの低下)を検討した。健常人の結果から各逆流の基準値を求め,それぞれのNERD症例における胃酸逆流の検出率を求めた。逆流と症状との関係はSSI(Symptom sensitivity index)を用いて評価した。NERD症例の胃酸分泌能の検討は胃平均pH値を用いた。  結果 : 健常人の結果から求めたacid reflux,weakly acid reflux,weakly acid reflux by dual pHの基準値はそれぞれ3.44%,12.2%,0.57%であった。NERD症例の8/15(53.3%)がacid reflux陽性であった。weakly acid refluxは健常人でも多く認め,NERD症例との有意差はなかった。weakly acid reflux by dual pHを用いると,acid reflux陰性であったNERD症例3例で異常逆流が検出された。weakly acid reflux by dual pH のSSIは26/49(53.1 %)であった。weakly acid reflux by dual pH陽性のNERD症例は,全例ピロリ陽性で高度の萎縮を認め,胃平均pH値は3.7±1.22と他の群と比較して有意に高かった。  考察 : 胃のpH値も併用して定義した食道pHが4以下まで低下しない弱い逆流は症状との相関が認められ,この逆流を用いるとNERD症例の胃酸逆流の検出率は上昇した。NERDにおいて食道・胃pHを用いたこの逆流は診断に有用と考えられた。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.70.2_38