動脈インピーダンスからみた肺循環の理解

動脈の血管特性には非拍動成分と拍動成分があり、肺循環において肺血管抵抗が前者、動脈インピーダンスが後者に相当する。肺血管抵抗は臨床で広く使用されている血管特性であるが、拍動性を反映していない。一方、動脈インピーダンスは周波数領域における血流と血圧の関係を表し、拍動下の血管特性を詳細に評価できる。動脈モデルに当てはめることで、血管抵抗、特性インピーダンス、コンプライアンス、慣性力、脈波伝達時間等、生理学的に解釈可能なパラメタに定量化でき、肺循環の理解や疾患の病態把握に見通しのよさが生まれる。本総説では基礎から臨床までの研究報告をもとに、動脈インピーダンスの可能性について解説したい。...

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Bibliographic Details
Published in循環制御 Vol. 45; no. 1; pp. 22 - 33
Main Authors 堀田, 直志, 福満, 雅史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 2024
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ISSN0389-1844
DOI10.11312/ccm.45.22

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Summary:動脈の血管特性には非拍動成分と拍動成分があり、肺循環において肺血管抵抗が前者、動脈インピーダンスが後者に相当する。肺血管抵抗は臨床で広く使用されている血管特性であるが、拍動性を反映していない。一方、動脈インピーダンスは周波数領域における血流と血圧の関係を表し、拍動下の血管特性を詳細に評価できる。動脈モデルに当てはめることで、血管抵抗、特性インピーダンス、コンプライアンス、慣性力、脈波伝達時間等、生理学的に解釈可能なパラメタに定量化でき、肺循環の理解や疾患の病態把握に見通しのよさが生まれる。本総説では基礎から臨床までの研究報告をもとに、動脈インピーダンスの可能性について解説したい。
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.45.22