表在型食道癌ESD後にステロイド経口投与・局注療法を併用した1例

「はじめに」 近年, 表在型食道癌に対する標準的な治療法として内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection : ESD)が広く普及している. 内視鏡的治療の進歩に伴い周在性の高い病変に対しても内視鏡的根治が可能となり, 高齢者や重篤な併存疾患のある患者にとっても身体への負担を軽減させることができる. その一方で, 食道は胃や大腸とは異なり狭い管腔臓器であることから, ESD後の合併症として術後狭窄が問題となることが多い. 様々な予防策の報告があるが, 現状では未だ確立された予防法はない. 今回我々は亜全周性の頸部・胸部上部食道癌ESD後の狭窄予防とし...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 98; no. 1; pp. 45 - 47
Main Authors 藤井, 崇, 田代, 祥博, 鈴木, 伸治, 岡本, 英子, 森田, 祐規, 田中, 道雄, 目時, 加奈恵, 今田, 安津子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 25.06.2021
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.98.1_45

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Summary:「はじめに」 近年, 表在型食道癌に対する標準的な治療法として内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection : ESD)が広く普及している. 内視鏡的治療の進歩に伴い周在性の高い病変に対しても内視鏡的根治が可能となり, 高齢者や重篤な併存疾患のある患者にとっても身体への負担を軽減させることができる. その一方で, 食道は胃や大腸とは異なり狭い管腔臓器であることから, ESD後の合併症として術後狭窄が問題となることが多い. 様々な予防策の報告があるが, 現状では未だ確立された予防法はない. 今回我々は亜全周性の頸部・胸部上部食道癌ESD後の狭窄予防として, ステロイド局注療法及びステロイド経口投与を併用した一例を経験し良好な経過を得たためここに報告する. 「症例」 患者:78歳, 男性. 既往歴:糖尿病. 常用薬:メトホルミン. 生活歴:飲酒歴 ビール500ml×6本, 週7回, flusher. 喫煙歴なし.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.98.1_45