ラット筋支配一次求心神経におけるTrkAとGFRα1の発現とそれらの共発現

「はじめに」強い不慣れな運動ののちに1日程度遅れて現れる筋肉の痛みを遅発性筋痛という. これは筋・筋膜性疼痛症候群のモデルとして使われてきた. 筆者らは遅発性筋痛の発生メカニズムには, ブラジキニンB2受容体-神経成長因子(NGF)の経路と, COX-2-グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)の経路の2つがあることを明らかにした. さらに, NGFとGDNFは協働しており, その協働作用は一次求心神経レベルで生じていることも見出した. しかし, NGFとGDNFはそれぞれの受容体であるTrkA, GFRα1-RETを持つ異なるグループの後根神経節(DRG)細胞, つまりNGFはIB4-でペプチ...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 36; no. 3; pp. 147 - 153
Main Authors 水村和枝, 小林希実子, 村瀬詩織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 30.09.2021
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Summary:「はじめに」強い不慣れな運動ののちに1日程度遅れて現れる筋肉の痛みを遅発性筋痛という. これは筋・筋膜性疼痛症候群のモデルとして使われてきた. 筆者らは遅発性筋痛の発生メカニズムには, ブラジキニンB2受容体-神経成長因子(NGF)の経路と, COX-2-グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)の経路の2つがあることを明らかにした. さらに, NGFとGDNFは協働しており, その協働作用は一次求心神経レベルで生じていることも見出した. しかし, NGFとGDNFはそれぞれの受容体であるTrkA, GFRα1-RETを持つ異なるグループの後根神経節(DRG)細胞, つまりNGFはIB4-でペプチド含有細胞群に, GDNFはIB4+で, ペプチド非含有細胞群に作用していると信じられている. 協働作用が生じるには, 両受容体が同一DRG細胞に発現していなければならないが, どの程度の割合で共発現があるのかは明らかではない.
ISSN:0915-8588
DOI:10.11154/pain.36.147