当科におけるS状結腸軸捻転症に対する治療方針

S状結腸軸捻転症は腸閉塞の原因となり,緊急的治療の必要となる疾患である一方,発見が遅れがちな寝たきりの高齢者や精神神経疾患症例に多いことより,低侵襲性と根治性を兼ね備えた治療法が必要である。そこで,非観血治療として内視鏡的整復,観血的治療として腹腔鏡下S状結腸切除術は非常に有効な治療法であると考えられる。  当科において1989年1月から2007年6月の18年6カ月間に経験した機械的イレウス768例中,S状結腸軸捻転症は21例であった。男性14例,女性7例,32歳から84歳(平均66.7歳)であった。併存疾患としては慢性便秘,精神神経疾患の既往がみられた。初診時腹膜刺激症状を示したものが6例,...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 72; no. 2; pp. 38 - 41
Main Authors 小西, 真理世, 吉野, 雅則, 小峯, 修, 水谷, 聡, 野村, 聡, 前島, 顕太郎, 坊, 英樹, 塩谷, 猛, 尾形, 昌男, 渡辺, 昌則, 徳永, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2008
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:S状結腸軸捻転症は腸閉塞の原因となり,緊急的治療の必要となる疾患である一方,発見が遅れがちな寝たきりの高齢者や精神神経疾患症例に多いことより,低侵襲性と根治性を兼ね備えた治療法が必要である。そこで,非観血治療として内視鏡的整復,観血的治療として腹腔鏡下S状結腸切除術は非常に有効な治療法であると考えられる。  当科において1989年1月から2007年6月の18年6カ月間に経験した機械的イレウス768例中,S状結腸軸捻転症は21例であった。男性14例,女性7例,32歳から84歳(平均66.7歳)であった。併存疾患としては慢性便秘,精神神経疾患の既往がみられた。初診時腹膜刺激症状を示したものが6例,ショック症状を呈したものが5例であった。緊急大腸内視鏡にて整復を試みた16例中,成功例12例であった。そのうち4例に腹腔鏡下結腸切除術を施行した。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.72.2_38