腸管スピロヘータ症の臨床的意義

「背景と目的」腸管スピロヘータ症(human intestinal spirochetosis, 以下HIS)はグラム陰性桿菌である Brachyspira 属による腸管感染症で人畜共通感染症といった側面を有する. 無症状の者も多く, その臨床的な取り扱いはなお定まっているとは言い難い. 今回当院で経験した8例の特徴を調査し報告する. 「対象と方法」当院において2019年1月から2019年7月までにHISと診断された8例を対象とした. 全例に下部消化管内視鏡が施行され, 病理組織により診断された. 検査目的, 症状の有無, 検査所見, 治療等を比較検討した. 病理組織における, HE染色による...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 96; no. 1; pp. 72 - 74
Main Authors 横田, 将, 出口, 隆造, 荻原, 直樹, 荒瀬, 吉孝, 井野元, 智恵, 白井, 孝之, 鈴木, 孝良, 寺邑, 英里香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 26.06.2020
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.96.1_72

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Summary:「背景と目的」腸管スピロヘータ症(human intestinal spirochetosis, 以下HIS)はグラム陰性桿菌である Brachyspira 属による腸管感染症で人畜共通感染症といった側面を有する. 無症状の者も多く, その臨床的な取り扱いはなお定まっているとは言い難い. 今回当院で経験した8例の特徴を調査し報告する. 「対象と方法」当院において2019年1月から2019年7月までにHISと診断された8例を対象とした. 全例に下部消化管内視鏡が施行され, 病理組織により診断された. 検査目的, 症状の有無, 検査所見, 治療等を比較検討した. 病理組織における, HE染色による粘膜表層の偽刷子縁所見, Giemsa染色ないしWarthin-Starry染色による表層のspiral構造物の証明, 抗 Treponema 抗体陽性等を診断根拠とした. 「結果」Table 1に半年間で当院で診断された8例を示す.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.96.1_72