多発皮下腫瘤を契機に診断された膵癌の1 例

症例は56 歳、男性。多発する皮下腫瘤と左上腹部痛を主訴に受診した。CT にて膵体尾部に不整な腫瘤を認め、皮下脂肪組織内に多数の結節が散在していた。皮下結節は病理組織検査の結果、低分化型腺癌であり、膵癌の皮膚転移と診断した。Gemcitabine による化学療法を開始したところ、皮下腫瘤は数・大きさとも著明に縮小した。外来にて化学療法を継続したが、再び腫瘍は増大し、治療開始から約7 ヶ月後に死亡した。皮膚転移を来たした膵癌の報告は非常に少ないうえ、また化学療法の経過中に皮膚転移巣の縮小が確認し得た大変興味深い一例であり、若干の文献的考察を加え報告する。...

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Published in松江市立病院医学雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 61 - 66
Main Authors 三浦, 将彦, 山田, 稔, 杉原, 誉明, 谷村, 隆志, 村脇, 義之, 田中, 新亮, 河野, 通盛, 吉村, 禎二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 松江市立病院 2012
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Summary:症例は56 歳、男性。多発する皮下腫瘤と左上腹部痛を主訴に受診した。CT にて膵体尾部に不整な腫瘤を認め、皮下脂肪組織内に多数の結節が散在していた。皮下結節は病理組織検査の結果、低分化型腺癌であり、膵癌の皮膚転移と診断した。Gemcitabine による化学療法を開始したところ、皮下腫瘤は数・大きさとも著明に縮小した。外来にて化学療法を継続したが、再び腫瘍は増大し、治療開始から約7 ヶ月後に死亡した。皮膚転移を来たした膵癌の報告は非常に少ないうえ、また化学療法の経過中に皮膚転移巣の縮小が確認し得た大変興味深い一例であり、若干の文献的考察を加え報告する。
ISSN:1343-0866
2434-8368
DOI:10.32294/mch.16.1_61