内視鏡的大腸腫瘍摘除術後の後出血症例の検討

内視鏡的大腸腫瘍摘除術後の出血の明らかな要因は解明されてない。今回の検討では出血の要因と,止血法としてのクリッピングの有効性を検討した。東京慈恵会医科大学にて1999年1月から2003年7月の間に内視鏡的大腸腫瘍摘除術を施行した3,000例中,術後出血を認めた66例を対象とし,部位別,腫瘍径別,形態別,治療方法別の出血率を検討した。術後出血の要因として部位はS状結腸,腫瘍径別は10mm以下,形態はIpとIsp型であった。クリッピング施行の有無では出血率に明らかな差はなかったが,治療により生じた破綻血管を同定しそこに的確にクリッピングすれば出血を予防することが可能と思われ,そのためには破綻血管を...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 42 - 45
Main Authors 西野, 晴夫, 松田, 浩二, 荒川, 廣志, 田尻, 久雄, 鈴木, 武志, 斎藤, 彰一, 成宮, 徳親, 中村, 靖幸, 一志, 公夫, 野沢, 博, 加藤, 智弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.64.2_42

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Summary:内視鏡的大腸腫瘍摘除術後の出血の明らかな要因は解明されてない。今回の検討では出血の要因と,止血法としてのクリッピングの有効性を検討した。東京慈恵会医科大学にて1999年1月から2003年7月の間に内視鏡的大腸腫瘍摘除術を施行した3,000例中,術後出血を認めた66例を対象とし,部位別,腫瘍径別,形態別,治療方法別の出血率を検討した。術後出血の要因として部位はS状結腸,腫瘍径別は10mm以下,形態はIpとIsp型であった。クリッピング施行の有無では出血率に明らかな差はなかったが,治療により生じた破綻血管を同定しそこに的確にクリッピングすれば出血を予防することが可能と思われ,そのためには破綻血管を同定する機器や方法の開発が望まれる。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.64.2_42