13歳女児の下顎に発生した炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の1例

「緒言」炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor:IMT)は, 従来, 炎症性偽腫瘍, 反応性偽肉腫様変化, 炎症性偽肉腫など過去にさまざまな名称で報告されてきた病変である. 近年, この病変の本体が筋線維芽細胞の腫瘍性増殖によることが認識され, この名称を用いるようになった1). 本腫瘍は軟部組織や肺をはじめとする全身諸臓器において報告されているが2~4), 下顎における発症は極めてまれである5~9). 今回われわれは13歳女児の下顎に発生したIMTの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:13歳, 女児....

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Published in小児口腔外科 Vol. 19; no. 1; pp. 35 - 39
Main Authors 松林, 純, 松田, 憲一, 長尾, 俊孝, 里見, 貴史, 千葉, 博茂, 渡辺, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 2009
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms.19.35

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Summary:「緒言」炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor:IMT)は, 従来, 炎症性偽腫瘍, 反応性偽肉腫様変化, 炎症性偽肉腫など過去にさまざまな名称で報告されてきた病変である. 近年, この病変の本体が筋線維芽細胞の腫瘍性増殖によることが認識され, この名称を用いるようになった1). 本腫瘍は軟部組織や肺をはじめとする全身諸臓器において報告されているが2~4), 下顎における発症は極めてまれである5~9). 今回われわれは13歳女児の下顎に発生したIMTの1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:13歳, 女児. 初診:1997年11月. 主訴:発熱と左側下顎歯肉の腫脹. 既往歴:特記事項なし. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:1997年5月から上下叢生歯列にて歯列矯正治療を開始した. 1997年10月中旬に左側下顎歯肉に腫瘤を自覚し, その後1週間で腫瘤が急速に増大したため, 受診中の矯正歯科医に相談したところ, 当科を紹介された.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms.19.35