当院における胆膵内視鏡検査時の呼吸循環器系合併症に対するリスクマネージメント

胆膵内視鏡は処置時間が長いことから,安定した処置を実現するために,鎮静を深く設定する必要がある.さらに,高齢者や全身状態の悪い患者を対象とすることが多いため,リスクマネージメントが必要である.今回我々は,まずAmerican Society of Anesthesiologists physical status (ASA-PS)と胆膵内視鏡中の呼吸循環器系合併症の関与について検討した.介入を要する低血圧,徐脈,低酸素血症を来した症例はASA-PSが有意に不良であった.全身状態,背景疾患およびASA-PSによる術前の患者評価を行い,鎮静薬の投与量を調整する必要性が示唆された.また,当院で導入し...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 91; no. 1; pp. 76 - 80
Main Authors 岩崎, 栄典, 福原, 誠一郎, 松永, 崇宏, 町田, 雄二郎, 瀧本, 洋一, 玉川, 空樹, 片山, 正, 南, 一洋, 川崎, 慎太郎, 清野, 隆史, 松下, 美沙子, 堀部, 昌靖, 細江, 直樹, 北郷, 実, 緒方, 晴彦, 金井, 隆典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 08.12.2017
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:胆膵内視鏡は処置時間が長いことから,安定した処置を実現するために,鎮静を深く設定する必要がある.さらに,高齢者や全身状態の悪い患者を対象とすることが多いため,リスクマネージメントが必要である.今回我々は,まずAmerican Society of Anesthesiologists physical status (ASA-PS)と胆膵内視鏡中の呼吸循環器系合併症の関与について検討した.介入を要する低血圧,徐脈,低酸素血症を来した症例はASA-PSが有意に不良であった.全身状態,背景疾患およびASA-PSによる術前の患者評価を行い,鎮静薬の投与量を調整する必要性が示唆された.また,当院で導入した急変時シミュレーションは,多職種が関わることで複数の有効な安全対策を同時に検討・導入することが可能となり,より安全な胆膵内視鏡診療を構築する機会を得ることができた.十分に計画された急変時シミュレーションの導入は,安全・確実な内視鏡診療を進めるうえで有用であり,今後,多くの施設での導入が期待される.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.91.1_76