Voxel–based morphometryを用いた慢性腰痛患者の扁桃体形態変化の評価の試み

[はじめに] Voxel-based morphometry (以下VBM)はAshuburnerらにより脳形態変化を調べる方法として発表された. 脳形態研究において近年注目されている方法であり, 3D-MRIを応用し各個人の脳画像を標準脳座標上に変換, 空間正規化(spatial normalization)することで全脳の形態的解析ができる形態学的画像診断法である. VBMは脳の形状変化を統計学的に調べ客観的に検出することができるため, 正常加齢に伴う脳形態変化だけではなく統合失調症や認知症などの脳疾患にも応用されている. 線維筋痛症, 痛み障害患者, 複合性局所疼痛症候群, 慢性腰痛など...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 30; no. 1; pp. 7 - 15
Main Authors 岩下, 成人, 椎野, 顯彦, 北川, 裕利, 吉村, 雅寛, 新田, 一仁, 福井, 聖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 10.03.2015
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ISSN0915-8588
2187-4697
DOI10.11154/pain.30.7

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Summary:[はじめに] Voxel-based morphometry (以下VBM)はAshuburnerらにより脳形態変化を調べる方法として発表された. 脳形態研究において近年注目されている方法であり, 3D-MRIを応用し各個人の脳画像を標準脳座標上に変換, 空間正規化(spatial normalization)することで全脳の形態的解析ができる形態学的画像診断法である. VBMは脳の形状変化を統計学的に調べ客観的に検出することができるため, 正常加齢に伴う脳形態変化だけではなく統合失調症や認知症などの脳疾患にも応用されている. 線維筋痛症, 痛み障害患者, 複合性局所疼痛症候群, 慢性腰痛など様々な慢性疼痛を対象としたVBMを用いた脳形態解析が行われており, 前部帯状回, 前頭前野, 扁桃体, 島などの領域において灰白質体積低下が報告されている.
ISSN:0915-8588
2187-4697
DOI:10.11154/pain.30.7