進行性脳梗塞に対する急性期頚動脈内膜剝離術の臨床的検討

「はじめに」頚部内頚動脈狭窄症例では, 脳梗塞発症早期に再発率が高いとの報告が多い. 一過性脳虚血発作ないし軽症脳梗塞後の脳卒中再発率については, 2日以内に6.7%, 7日以内に10.9%, 28日以内に13.4%であったと報告されている. 頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)の実施時期については, 2004年にRothwellらが, 最終発作から2週間以内に治療振り分けが行われた症例において, 2週間以内にCEAを施行した群は12週以降に施行した群と比較して25倍同側の脳卒中を予防すると報告した. これを受け, 症候性頚動脈狭窄症に対しては, 最終発作後...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 45; no. 1; pp. 28 - 34
Main Authors 森﨑, 雄大, 米澤, 泰司, 明田, 秀太, 井上, 美里, 新, 靖史, 鄭, 倫成, 輪島, 大介, 古家一, 洋平, 岡本, 愛, 角谷, 美帆, 古田, 隆徳, 佐々木, 弘光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2017
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」頚部内頚動脈狭窄症例では, 脳梗塞発症早期に再発率が高いとの報告が多い. 一過性脳虚血発作ないし軽症脳梗塞後の脳卒中再発率については, 2日以内に6.7%, 7日以内に10.9%, 28日以内に13.4%であったと報告されている. 頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)の実施時期については, 2004年にRothwellらが, 最終発作から2週間以内に治療振り分けが行われた症例において, 2週間以内にCEAを施行した群は12週以降に施行した群と比較して25倍同側の脳卒中を予防すると報告した. これを受け, 症候性頚動脈狭窄症に対しては, 最終発作後14日以内にCEAを施行することがガイドラインにおいて推奨されている. しかし, 症状が安定していないstroke-in-evolution(SIE)や超急性期脳梗塞に対するCEAの適応および実施時期については, いまだ見解が統一されていないのが現状である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.45.28