ESDを施行したBarrett食道癌5例の検討

Barrett 食道癌は近年報告が増えており,ESDを施行した症例の報告もみられる。我々は2005年3月から2008年12月までに5例のBarrett食道癌ESD症例を経験したので報告する。  症例は全例男性であり,平均年齢は60歳(50~74歳)。肉眼型は0-IIa3例,0-IIc2例であった。すべてSSBEに発生し,分化型腺癌であった。深達度はM癌4例,SM癌1例であり,SM癌はESD後追加手術となった。平均病変サイズは21mm(11mm~38mm)であった。切除方法はAPCでマーキングの後グリセオールまたはヒアルロン酸局注,IT knife®法で施工した。病変の境界は通常内視鏡で認識可能...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 31 - 34
Main Authors 山本, 智理子, 土田, 知宏, 藤崎, 順子, 今田, 真一, 石山, 晃世志, 春日, 章良, 高橋, 寛, 星野, 恵津夫, 加藤, 洋, 今井, 瑞香, 山本, 頼正, 文園, 豊, 五十嵐, 正広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.77.2_31

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Summary:Barrett 食道癌は近年報告が増えており,ESDを施行した症例の報告もみられる。我々は2005年3月から2008年12月までに5例のBarrett食道癌ESD症例を経験したので報告する。  症例は全例男性であり,平均年齢は60歳(50~74歳)。肉眼型は0-IIa3例,0-IIc2例であった。すべてSSBEに発生し,分化型腺癌であった。深達度はM癌4例,SM癌1例であり,SM癌はESD後追加手術となった。平均病変サイズは21mm(11mm~38mm)であった。切除方法はAPCでマーキングの後グリセオールまたはヒアルロン酸局注,IT knife®法で施工した。病変の境界は通常内視鏡で認識可能であったが,1例は食道扁平上皮下進展症例で切除水平断端が陽性となった。本症例は扁平上皮下進展を術前診断できなかった。5例とも偶発症は見られなかった。  Barrett食道癌は今後増加する可能性が高く,ESDは診断・治療に有用な選択肢になりうると考えられたが,Barrett食道癌では範囲診断困難例の報告もあり,特に扁平上皮下進展の術前診断は困難であった。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.77.2_31