内視鏡的摘出術で改善した魚骨胃穿孔の1例
「はじめに」異物摂取の症例の中で消化管穿孔を起こすのは1%以下とされ, 本邦では食生活習慣から消化管穿孔の原因異物は魚骨が約半数を占めるとされる. 魚骨による消化管穿孔・穿通例は外科手術の適応となることが多く, 内視鏡的摘出のみで改善する例は稀である. 今回, 我々は内視鏡的摘出のみで改善を得た魚骨の胃穿孔の1例を経験した. 「症例」患者:82歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:狭心症. 慢性腎臓病. 高血圧. 陳旧性脳梗塞. 現病歴:食事摂取によって増悪する心窩部痛が出現し, 経口摂取も困難となったため, 第6病日に当院内科外来を受診した. 入院時現症:血圧126/76mmHg, 脈拍1...
Saved in:
Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 90; no. 1; pp. 88 - 89 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
09.06.2017
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.90.1_88 |
Cover
Summary: | 「はじめに」異物摂取の症例の中で消化管穿孔を起こすのは1%以下とされ, 本邦では食生活習慣から消化管穿孔の原因異物は魚骨が約半数を占めるとされる. 魚骨による消化管穿孔・穿通例は外科手術の適応となることが多く, 内視鏡的摘出のみで改善する例は稀である. 今回, 我々は内視鏡的摘出のみで改善を得た魚骨の胃穿孔の1例を経験した. 「症例」患者:82歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:狭心症. 慢性腎臓病. 高血圧. 陳旧性脳梗塞. 現病歴:食事摂取によって増悪する心窩部痛が出現し, 経口摂取も困難となったため, 第6病日に当院内科外来を受診した. 入院時現症:血圧126/76mmHg, 脈拍104/分, 体温36.8度, SpO2 96%(室内気), 意識レベル清明. 心窩部に圧痛あり, 反跳痛や筋性防御は認めなかった. 血液検査:軽度の貧血とCRPの上昇を認めた. 腹部単純CT検査:胃前庭部を貫いて胆嚢頸部近傍まで達する高密度針状物を認めた. |
---|---|
ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.90.1_88 |