範囲診断に難渋し,長期経過観察後にESDにて治癒切除し得た早期胃癌の1例

「はじめに」近年, 内視鏡機器の解像度向上やそれに伴う術者の診断能向上により, 内視鏡治療が可能な早期胃癌が多く発見されている. ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が広く普及しているが, ESD施行においては病変の範囲診断が必須となる. 今回, 我々は範囲診断に難渋し, 長期経過観察後にESDにて治癒切除し得た早期胃癌の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:69歳, 男性. 主訴:なし. 既往歴:虫垂炎手術後(20歳時), 胆嚢結石症(保存的加療). H.pylori菌:陰性(除菌歴なし). 内服薬:なし. 現病歴:2010年5月, 前々医による健診で上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行さ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 89; no. 1; pp. 98 - 99
Main Authors 鳥海, 史樹, 川久保, 博文, 北川, 雄光, 和田, 則仁, 中村, 理恵子, 高橋, 常浩, 亀山, 香織, 竹内, 裕也, 前田, 祐助
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 16.12.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.89.1_98

Cover

Loading…
More Information
Summary:「はじめに」近年, 内視鏡機器の解像度向上やそれに伴う術者の診断能向上により, 内視鏡治療が可能な早期胃癌が多く発見されている. ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が広く普及しているが, ESD施行においては病変の範囲診断が必須となる. 今回, 我々は範囲診断に難渋し, 長期経過観察後にESDにて治癒切除し得た早期胃癌の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:69歳, 男性. 主訴:なし. 既往歴:虫垂炎手術後(20歳時), 胆嚢結石症(保存的加療). H.pylori菌:陰性(除菌歴なし). 内服薬:なし. 現病歴:2010年5月, 前々医による健診で上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行され, 胃体上部後壁に発赤調の病変を指摘さた. 生検を施行したが悪性所見なく, 経過観察となった. 2011年12月, 前医にてEGD施行され, 同部分より生検にてGroup4と診断されたが, 病変の範囲が特定できなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.89.1_98