2チャンネルスコープを用いたアルゴンプラズマ凝固法の有用性

「はじめに」アルゴンプラズマ凝固法(argon plasma coagulation;APC)は内視鏡治療に広く汎用されているが1, 2), 通常のスコープの鉗子孔にプローブを挿入したままでは噴出したアルゴンガスの吸引が困難であり, 広範囲の焼灼時には腹部膨満感や嘔吐などが問題となることが多い. ガスを吸引するためにはプローブをそのつど鉗子孔から抜去しなければならないため, 操作も煩雑である. 今回, 筆者らは2チャンネルスコープを用いたAPCの有用性について検討したので報告した. 「対象と方法」対象はAPCにより広範囲の焼灼を施行した放射線性胃炎2例6回, diffuse antral va...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 64; no. 2; pp. 46 - 47
Main Authors 今枝, 博之, 岩男, 泰, 鈴木, 秀和, 永田, 博司, 中下, 学, 石井, 裕正, 津田, 朋子, 相浦, 浩一, 緒方, 晴彦, 中溝, 裕雅, 熊井, 浩一郎, 正岡, 建洋, 島津, 元秀, 日比, 紀文, 細江, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2004
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.64.2_46

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Summary:「はじめに」アルゴンプラズマ凝固法(argon plasma coagulation;APC)は内視鏡治療に広く汎用されているが1, 2), 通常のスコープの鉗子孔にプローブを挿入したままでは噴出したアルゴンガスの吸引が困難であり, 広範囲の焼灼時には腹部膨満感や嘔吐などが問題となることが多い. ガスを吸引するためにはプローブをそのつど鉗子孔から抜去しなければならないため, 操作も煩雑である. 今回, 筆者らは2チャンネルスコープを用いたAPCの有用性について検討したので報告した. 「対象と方法」対象はAPCにより広範囲の焼灼を施行した放射線性胃炎2例6回, diffuse antral vascular ectasia 1例2回, gastric antral vascular ectasia 1列1回, Oslar病1例5回で, 計5例14回であった(Table1). APCは高周波発振装置ICC200(ERBE社)とエルボトームAPC300(ERBE社)を用い, 高周波出力条件は60W, アルゴンガス流量は1.4L/分とした. スコープは2チャンネル処置用スコープ2T240(オリンパス光学)を用い, 右鉗子孔(鉗子孔径3.7mm)からAPCプローブを挿入してAPCを施行し, 術中のガスの吸引は右鉗子孔の隙間からと左鉗子孔(鉗子孔径2.8mm)から行い, 送水や局注は左鉗子孔から施行した(Fig. 1).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.64.2_46