十二指腸下行脚の潰瘍を契機に診断された膵動静脈奇形の1例

「はじめに」膵動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)は膵臓内での動脈系と静脈系の異常短絡吻合による腫瘤形成性の血管異常疾患である. 従来非常に稀な疾患であるとされていたが, 画像診断の進歩とともにその報告例は増えている. 我々は十二指腸下行脚の潰瘍を契機に膵頭部動静脈奇形と診断した一例を経験したため報告する. 「症例」患者:45歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:高血圧, 家族歴:特記なし. 現病歴:当院受診1カ月前より心窩部痛が出現し, 前医にて内服加療されるも改善なく当院受診となった. 上部消化管内視鏡検査(EGD)施行し, 十二指腸下行脚に露出血管...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 96 - 97
Main Authors 中野, 正和, 小山, 裕太郎, 山本, 義光, 土田, 幸平, 菅谷, 武史, 富永, 圭一, 稲葉, 直也, 石川, 潤, 瀧川, 穣, 平石, 秀幸, 草野, 浩治, 永田, 充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.77.2_96

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Summary:「はじめに」膵動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)は膵臓内での動脈系と静脈系の異常短絡吻合による腫瘤形成性の血管異常疾患である. 従来非常に稀な疾患であるとされていたが, 画像診断の進歩とともにその報告例は増えている. 我々は十二指腸下行脚の潰瘍を契機に膵頭部動静脈奇形と診断した一例を経験したため報告する. 「症例」患者:45歳, 男性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:高血圧, 家族歴:特記なし. 現病歴:当院受診1カ月前より心窩部痛が出現し, 前医にて内服加療されるも改善なく当院受診となった. 上部消化管内視鏡検査(EGD)施行し, 十二指腸下行脚に露出血管を伴う潰瘍を認め, 加療目的に入院となった. 入院時現症:意識清明, 身長153.5cm, 体重67.0kg, 体温36.8℃, 血圧159/93mmHg, 心拍数110回/分整, 心窩部の間欠痛を認める以外は特記所見なし. 入院時検査所見(Table1):CEA, CA19-9等の各種腫瘍マーカーは正常範囲内, H.pylori IgG抗体は陰性であった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.77.2_96