新しい錠剤型腸管洗浄剤の使用経験

これまでの大腸内視鏡検査の前処置法は,ポリエチレングリコール含有電解質溶液を用いる全腸管洗浄法やマグコロール®希釈液を用いる大量マグコロール®法が主流となっているが,それぞれ味の問題や水素ガスの発生といった問題点がある。そこで,味の問題を解決し,さらに腸管内細菌の作用による爆発性ガスを発生しないリン酸ナトリウム塩製剤である錠剤型腸管洗浄剤(ビジクリア®錠)が開発された。この錠剤の開発により,従来の腸管洗浄法に比べて被験者の受容性は改善されたが,50錠という内服量および内服に時間がかかるといった問題点がある。そこで,被験者の受容性と洗浄効果の確認,ならびに下剤の併用も含めた,ビジクリア®錠の必要...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 72; no. 2; pp. 30 - 33
Main Authors 中条, 徹朗, 西野, 晴夫, 森岡, 香, 野沢, 博, 高橋, 敬二, 辺見, 英之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2008
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.72.2_30

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Summary:これまでの大腸内視鏡検査の前処置法は,ポリエチレングリコール含有電解質溶液を用いる全腸管洗浄法やマグコロール®希釈液を用いる大量マグコロール®法が主流となっているが,それぞれ味の問題や水素ガスの発生といった問題点がある。そこで,味の問題を解決し,さらに腸管内細菌の作用による爆発性ガスを発生しないリン酸ナトリウム塩製剤である錠剤型腸管洗浄剤(ビジクリア®錠)が開発された。この錠剤の開発により,従来の腸管洗浄法に比べて被験者の受容性は改善されたが,50錠という内服量および内服に時間がかかるといった問題点がある。そこで,被験者の受容性と洗浄効果の確認,ならびに下剤の併用も含めた,ビジクリア®錠の必要投与量について検討した。その結果,ビジクリア®錠の被験者に対する良好な受容性,ならびに洗浄効果について再確認することができた。また,前日に下剤を併用することで,検査当日に服用するビジクリア®の錠数を減量することが可能であった。しかし,ビジクリア®錠の最適な投与量に関しては,普段の排便状況などを考慮する必要があり,今後さらに検討していく必要があると考えられた。また,下剤の併用に伴う電解質変動や心電図変化についても確認する必要があると思われた。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.72.2_30