当科における補聴器外来の現況

過去5年間に当科補聴器外来を受診した221例について, 年齢, 性別, 平均聴力レベル, 聴力型, 最高語音明瞭度, 補聴器の特性と装用耳聴力との関係, 年齢と補聴器の形状との関係, 患者背景と補聴器装用との関係, 片側耳装用者と両耳装用者との比較検討を行った。 補聴器装用に至った166例の平均聴力レベルは57.2dB, 最高語音明瞭度が70%以上の症例は75.7%を占めていた。 装用耳聴力と補聴器の音響利得, 及び最大出力音圧との間には有意な相関を認め, 大多数の症例において音響利得はハーフゲインを下回っていた。 補聴器の形状は若年者では挿耳形が多く, 高齢者で耳かけ形・箱形が多い傾向にあっ...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 43; no. 6; pp. 617 - 625
Main Authors 野々山, 勉, 鶴岡, 弘美, 朝日, ゆかり, 間島, 雄一, 増田, 佐和子, 原田, 輝彦, 坂倉, 康夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2000
日本聴覚医学会
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Summary:過去5年間に当科補聴器外来を受診した221例について, 年齢, 性別, 平均聴力レベル, 聴力型, 最高語音明瞭度, 補聴器の特性と装用耳聴力との関係, 年齢と補聴器の形状との関係, 患者背景と補聴器装用との関係, 片側耳装用者と両耳装用者との比較検討を行った。 補聴器装用に至った166例の平均聴力レベルは57.2dB, 最高語音明瞭度が70%以上の症例は75.7%を占めていた。 装用耳聴力と補聴器の音響利得, 及び最大出力音圧との間には有意な相関を認め, 大多数の症例において音響利得はハーフゲインを下回っていた。 補聴器の形状は若年者では挿耳形が多く, 高齢者で耳かけ形・箱形が多い傾向にあった。 補聴器装用の可否には職業の有無でなく, 装用意欲と関連を認めた。 両耳装用者は若年者で有職者が多く, 過半数が両側に挿耳形を装用していた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.43.617