蓋膜のプロテオグリカン及びグルコサミノグリカンの生化学的分析

蓋膜の聴覚生理における機能を明らかにするために蓋膜のプロテオグリカン (PGs), グルコサミノグリカン (GAGs) の生化学的分析を行った. 現在まで同定されていなかったウロン酸を含有するGAGsを定量し得 (湿重量で約0.3%), PGsのsubtypeとして高分子型PGsと低分子型PGsが存在することが示唆された. これらの結果と他の細胞外組織の生化学的成分を比較検討し蓋膜の生理機能に関して考察を行った. すなわち蓋膜はGAGsによりもたらされたイオン平衡により電位をもちえること, コラーゲンとPGs, GAGsのmatrixで蓋膜は聴毛の先端を保持しsharp tuningやmech...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 1; pp. 98 - 106,173
Main Authors 原, 晃, 待木, 健司, 草刈, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.98

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Summary:蓋膜の聴覚生理における機能を明らかにするために蓋膜のプロテオグリカン (PGs), グルコサミノグリカン (GAGs) の生化学的分析を行った. 現在まで同定されていなかったウロン酸を含有するGAGsを定量し得 (湿重量で約0.3%), PGsのsubtypeとして高分子型PGsと低分子型PGsが存在することが示唆された. これらの結果と他の細胞外組織の生化学的成分を比較検討し蓋膜の生理機能に関して考察を行った. すなわち蓋膜はGAGsによりもたらされたイオン平衡により電位をもちえること, コラーゲンとPGs, GAGsのmatrixで蓋膜は聴毛の先端を保持しsharp tuningやmechanoelectorical feedback機構に関与していることが示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.98