LASIK術後における近視の戻り要因についての検討
LASIK (Laser in situ keratomileusis)術後に生じる近視の戻り(regression)に関与する因子を究明する目的で術前屈折度数、角膜厚の変化、角膜曲率半径の変化、角膜後面の前方偏位、残存角膜厚および角膜前面の前方偏位について検討した。対象は、平成13年7月から平成16年1月までに当院にてLASIKを施行した209例411眼のうち、術後6ヶ月以上経過観察が可能であった321眼である。その結果、近視の戻りとの相関が得られた因子は、術後角膜曲率半径の減少と残存角膜ベッド厚であり、残存角膜ベッド厚が薄いほど、角膜後面および前面の前方偏位量が大きい傾向にあった。また、角...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 34; pp. 121 - 126 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2005
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.34.121 |
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Summary: | LASIK (Laser in situ keratomileusis)術後に生じる近視の戻り(regression)に関与する因子を究明する目的で術前屈折度数、角膜厚の変化、角膜曲率半径の変化、角膜後面の前方偏位、残存角膜厚および角膜前面の前方偏位について検討した。対象は、平成13年7月から平成16年1月までに当院にてLASIKを施行した209例411眼のうち、術後6ヶ月以上経過観察が可能であった321眼である。その結果、近視の戻りとの相関が得られた因子は、術後角膜曲率半径の減少と残存角膜ベッド厚であり、残存角膜ベッド厚が薄いほど、角膜後面および前面の前方偏位量が大きい傾向にあった。また、角膜後面の前方偏位量と術前角膜厚との間には相関はなかった。残存角膜ベッド厚が薄い場合、角膜後面のみならず角膜前面の前方偏位をきたしやすく、結果的に角膜曲率半径が減少し、近視の戻りを生じる可能性が高くなると考えられた。従って、近視の戻りの防止には、症例が許す限り残存角膜ベッド厚を厚く保つようにすることが重要であると思われる。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.34.121 |