人工内耳装用幼児のマッピング 初回マッピングを中心に

就学前幼児6例の人工内耳装用経験に基づき, 初回マッピングとその後のマップの調整や装用状況について調べた。 初回マッピングでは, T/Cレベルを幼児の表情や行動の変化によって測定するが, 先天性難聴幼児5例中4例がCレベル測定時に目を覆ったり部屋の電気がピカピカしていると視覚刺激のように感じ, その後の2回目のT/Cレベル測定を嫌がり, 内2例はヘッドセットを装着することも嫌がって, 終日装用まで時間がかかった。 このことから幼児のT/Cレベル測定では, 目を覆う反応の前に見られる身体接触を求めるなどをCレベルとして次の電極の測定に移り, 測定刺激が不快レベルにならないよう慎重にする必要がある...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 42; no. 6; pp. 667 - 673
Main Authors 本庄, 巖, 藤沢, 直人, 藤木, 暢也, 中島, 志織, 川野, 通夫, 山口, 忍, 内藤, 泰, 塩見, 洋作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1999
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.42.667

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Summary:就学前幼児6例の人工内耳装用経験に基づき, 初回マッピングとその後のマップの調整や装用状況について調べた。 初回マッピングでは, T/Cレベルを幼児の表情や行動の変化によって測定するが, 先天性難聴幼児5例中4例がCレベル測定時に目を覆ったり部屋の電気がピカピカしていると視覚刺激のように感じ, その後の2回目のT/Cレベル測定を嫌がり, 内2例はヘッドセットを装着することも嫌がって, 終日装用まで時間がかかった。 このことから幼児のT/Cレベル測定では, 目を覆う反応の前に見られる身体接触を求めるなどをCレベルとして次の電極の測定に移り, 測定刺激が不快レベルにならないよう慎重にする必要があると考えられた。 また, マップ作製後の装用では, 感度調節ツマミを最適感度レベルより低い値にして, 装用時の音への反応を観察しやすくすることが, マップの調整に有効であった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.42.667